令和6年度 沖縄県立中部病院 病院指標

令和6年度 沖縄県立中部 病院情報の公表

病院指標

医療の質指標

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1120 289 532 848 710 992 1567 2145 1966 862
当院は地域医療支援病院であり、救命救急センターを有することから幅広い年齢層に医療を提供しています。
特徴として、60歳以上の患者数が全体の約6割を占めていることです。また全体の四割以上が救命救急を有する入院となっており、救命救急センターとして機能していることを示しています。
次いで10歳未満の患者数が約一割と高い比率を占めていることが挙げられます。10歳未満の患者には新生児や乳幼児が多く、20~40歳の女性患者は産科の受診が多くみられることから、総合周産期母子医療センターとしても十分に機能していることを示しています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 81 10.46 13.66 13.58 76.98
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 50 12.86 20.78 20.00 83.04
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 46 12.52 16.40 23.91 87.15
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 40 13.78 20.06 10.00 78.35
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 2.55 3.58 13.16 42.50
当院は救命救急センターを有し、地域の中核病院として様々な患者さんを受け入れています。救急診療については以前から力を入れて取り組んでおり、各科と連携をとりながら円滑に診療の質を維持しながら業務を行っています。
救急外来を経由した入院患者の診療は、その後専門の診療科にうつるため実際の上位DPC患者数とは異なりますが、診療科としての診断群分類患者数は前年と似た傾向にあります。

総合内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 104 16.56 16.94 48.08 76.33
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 80 11.80 13.66 21.25 74.44
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 61 10.75 16.40 26.23 86.02
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 46 14.72 12.98 19.57 73.93
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 37 12.86 20.78 40.54 80.24
総合内科は脳神経内科・リウマチ膠原病科・呼吸器科で入院を要する方、その他様々な内科領域の入院診療を行っています。
尿路感染症、蜂窩織炎、誤嚥性肺炎は抗菌薬で一定期間治療すれば治癒することも多いですが、もともとの体力や免疫・栄養状態などにより抗菌薬で治療しても経過が長くなったり、入院によって体力が落ちて自宅に帰れなくなってしまう場合もあります。
脳梗塞は麻痺・しびれなど後遺症の程度によっては、当院で一定期間治療した後にリハビリテーション専門病院でリハビリを続けることがあります。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 130 15.45 17.33 8.46 80.73
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 74 3.57 3.07 1.35 68.16
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 68 5.47 4.18 1.47 69.93
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 54 10.24 9.59 9.26 79.41
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 45 3.11 3.27 0.00 70.27
例年同様に心不全入院が最多であり、継続的に入院早期からのリハビリテーション介入を積極的に行い自宅退院を推奨しています。平均在院日数は前年度より減少し全国平均より2日程度短い傾向にあります。

産科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 120 9.08 9.40 0.00 33.19
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 手術なし 91 8.96 6.65 0.00 31.53
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 85 13.26 19.47 5.88 31.25
120200xx99x0xx 妊娠中の糖尿病 手術なし 手術・処置等2 なし 71 3.77 4.06 0.00 33.94
120160xx99xxxx 妊娠高血圧症候群関連疾患 手術なし 50 8.72 7.40 0.00 31.68
当院は総合周産期母子医療センターであり、早い週数で陣痛が生じる切迫早産の患者さんが多数来院します。切迫早産に対する治療を行い、概ね良好な結果が得られています。妊娠中、出血や規則的な子宮の収縮、破水感などを感じたら、かかりつけ医または救命救急センターを受診し、産科医の診察を受けることが重要です。妊娠糖尿病は、妊娠の影響により血糖値が高くなる疾患です。自覚症状はほとんどないため、リスクの高い患者さんを医師が見極め、早期に診断・治療を行うことが必要です。当院では糖負荷試験等を実施し、早期診断に努めています。
また、妊娠に伴って血圧上昇やタンパク尿を生じる妊娠高血圧症候群は母児ともに様々な障害を発生するため、早期介入しています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 83 8.92 8.88 6.02 78.52
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 43 2.95 2.57 2.33 67.95
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 30 8.67 7.67 20.00 68.93
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2 なし 28 12.25 9.45 10.71 78.21
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 23 7.35 7.60 4.35 75.65
当院消化器内科入院で最も多い疾患は前年同様、胆管結石・胆管炎などとなっています。胆石などが原因で起こる胆管炎は敗血症をきたしやすく、緊急検査を要する事が多いです。内視鏡的大腸ポリープ・切除術は、43例(前年32例)と増加傾向にあります。沖縄は、全国に比べ大腸癌の罹患率が高く、検診で潜血、人間ドックなどでの下部内視鏡検査の受診率の向上が望まれます。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 57 5.28 5.99 0.00 57.54
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 49 4.51 4.54 0.00 67.37
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 46 5.20 7.05 2.17 63.41
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 45 3.27 5.32 0.00 37.80
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 29 11.14 14.81 0.00 70.14
虫垂炎、胆のう炎などの急性腹症は迅速に診断し、適切なタイミングで手術が行われているため、入院期間も短くなっています。
結腸癌を含めて9割以上の手術がが低侵襲な腹腔鏡下手術を行われているため、全国へ平均と比較しても入院日数が短い傾向にあります。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 227 21.88 25.29 75.33 81.04
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 55 5.84 19.16 72.73 80.95
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 35 3.49 5.95 2.86 64.46
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 29 10.14 19.30 65.52 75.28
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 22 11.86 17.84 13.64 49.64
患者分布は例年と同様の傾向にあるが、骨折治療の早期手術治療の実践を開始た影響で年々手術症例は例年増加傾向にある。また各症例とも全国と比較しても平均在院日数は短い傾向にある。比較的高齢者が多いが足関節・足部の骨折・脱臼に関しては幅広い層となっている。
現在四人体制で診療を行っていることには変わりなく、すべての分野を網羅することはできていない。肩関節、肘関節疾患への対応や、筋骨格の腫瘍性疾患については、専門性が非常に高いため、関連病院である琉球大学病院へ紹介している。当院は救命救急病院であることを考えると、外傷疾患へのより質の高い医療提供を続けることが使命と考える。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 89 5.66 6.22 0.00 0.96
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 69 5.58 5.61 0.00 3.94
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 63 5.21 6.38 1.59 3.67
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 55 4.64 6.98 1.82 2.65
040130xx99x0xx 呼吸不全(その他) 手術なし 手術・処置等2 なし 23 9.39 10.68 0.00 1.39
小児患者の入院の原因疾患では急性気管支炎、急性細気管支炎が最も多く、気道の構造の未熟性・易感染性およびウイルスに対する免疫低下から乳幼児の入院患者が増加します。昨年同様にCOVID-19流行下でRSウイルス感染症などに対する免疫を獲得できなかった子ども達のRSウイルス感染症の罹患が増加し、またCOVID-19感染症が減ると人々の交流が盛んになり、様々な感染症に乳幼児が暴露する機会が増加し、感染者が増加します。また感染症や気候の変化を契機に喘息発作での入院患者も多く、学童も多いため平均年齢は3~4歳と年齢が高くなります。
また当院の特徴として各疾患とも全国の平均在院日数より短い傾向にあります。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 78 11.65 13.66 20.51 74.50
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 46 11.61 16.40 28.26 87.65
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 43 14.84 20.78 23.26 81.33
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 33 3.42 6.01 0.00 57.39
180040xx99x0xx 手術・処置等の合併症 手術なし 手術・処置等2 なし 26 18.42 9.90 3.85 67.31
腎臓内科では慢性腎臓病診療、とくに末期腎不全に関わる血液透析、腹膜透析、腎移植などの腎代替療法の導入および合併症管理を行います。また、急性腎障害や慢性腎臓病の原因検索としての腎生検を積極的に行うことで、IgA腎症、全身性エリテマトーデスに伴うループス腎炎、ANCA関連血管炎、多発性骨髄腫に伴う骨髄腫腎、糖尿病性腎症の診断が可能です。救急医療に関連する診療として、低ナトリウム血症、高カリウム血症、低カリウム血症、高カルシウム血症などの電解質異常や横紋筋融解症に伴う急性腎障害、尿路感染症を含む一般感染症や肺炎等の診療も重要な業務として行っています。

腫瘍・血液内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx9904xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 20 4.35 5.84 0.00 70.25
130030xx99xAxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 Aあり 20 11.70 13.31 5.00 76.10
070041xx99x5xx 軟部の悪性腫瘍(脊髄を除く。) 手術なし 手術・処置等2 5あり 16 6.00 4.15 0.00 66.50
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 3あり 14 13.71 14.89 0.00 71.71
130030xx99xBxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 Bあり 13 8.92 12.23 0.00 72.31
本データは入院のべ患者数の集計であり、同一患者様が重複して集計されているため、本年度は膵臓、脾臓の腫瘍が最多となっていますが、全体としては、悪性リンパ腫の症例が多くなっております。病期の進行度や患者さんの背景、年齢や全身状態を考慮し、それぞれの診療ガイドラインに沿って、患者様やその家族が安心できる最善の診断・治療を行っています。また、在院日数は全国平均より短くなっており、できるだけ入院治療は短期間にとどめ、患者様が普段と変わらない生活をご自宅で過ごせるように、最善を尽くしております。

婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx02xxxx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 54 2.07 2.92 0.00 42.78
120250xx97x0xx 生殖・月経周期に関連する病態 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 43 2.12 4.05 0.00 46.84
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 37 9.19 9.84 2.70 58.84
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 33 4.79 5.97 3.03 35.52
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 30 4.90 4.07 0.00 60.13
各疾患ともに平均在院日数は全国より短い傾向にあります。また昨年度に比べ各疾患の患者数は減少していますが、子宮頸・体部の悪性腫瘍は増加傾向にあります。

感染症内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 68 9.93 13.66 32.35 79.93
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 46 10.87 16.40 43.48 87.85
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 37 15.86 12.98 10.81 69.46
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 30 13.70 20.78 30.00 83.67
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 なし 16 15.56 20.06 12.50 81.75
1. 急性腎盂腎炎(DPC名称:腎臓又は尿路の感染症)
高齢者が発症する「複雑型尿路感染症」の患者が多く、ADL低下、前立腺肥大症や結石などで尿路が鬱滞する背景を有する患者が大半となっている。敗血症を合併することも多々あり、抗菌薬治療を2週間程度必要とする症例も多いため在院日数が長くなるケースもあるが、当院の平均在院日数は9.93日と全国より短くなっている。

2. 肺炎(DPC名称: 肺炎等)
誤嚥以外の要因で起きる主に細菌による肺炎を対象に入院診療を行っている。肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因としては多く、もともと肺疾患がある場合には緑膿菌などのグラム陰性桿菌も治療対象にする必要がある。多くは高齢(平均年齢87.85歳)であり、重篤な状態になっていることも多く、7〜10日間の静注抗菌薬治療が必要となっている。

3. 蜂窩織炎(DPC名称:膿皮症)
下肢蜂窩織炎の頻度が高く、基礎疾患として下腿浮腫や皮膚病変を有する患者が多い。またG群溶血性連鎖球菌(Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis)が起因菌の場合には高頻度に菌血症を合併し、抗菌薬投与が2週間以上になることも珍しくない。

4. 誤嚥性肺炎(DPC名称:誤嚥性肺炎)
高齢者における誤嚥性肺炎の場合、肺疾患(COPDなど)の基礎疾患を有する患者も多く、抗菌薬治療が10日を越えて必要になる場合も少なくない。さらに、ADL回復を同時に進める必要がある。理学療法士や言語療法士によるリハビリテーションや歯科衛生士らによる口腔ケアも合わせて行い、誤嚥リスクを低減して急性期治療を終えることとしている。

5. 敗血症(DPC名称:敗血症)
様々な細菌感染をきっかけとして菌血症を起こし、さらには血圧低下や臓器障害を合併して敗血症を引き起こす。当院の血液培養検査結果でも多く検出されるのが腸内細菌目細菌であるE.coliやKlebsiellaであるが、これらは急性腎盂腎炎や胆管炎・胆嚢炎、その他腹腔内感染症などの起因菌となる。原因感染症ごとに抗菌薬治療を要する期間は異なるが、総じて2〜3週間程度の抗菌薬治療が必要とされる。高齢者に多く(平均年齢81.75歳)、ADL低下を防ぎながら状態改善に努めるが、その後にリハビリテーションの継続を要することも少なくないため、その調整日数も含まれてくる。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 72 2.24 2.45 0.00 72.51
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 44 4.55 6.81 0.00 75.73
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 24 4.42 5.16 0.00 72.21
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 19 5.42 7.77 0.00 76.21
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 16 7.38 10.12 0.00 64.75
前立腺癌、前立腺肥大症、尿路結石が多数を占め、高齢化している。

耳鼻咽喉・頭頚部外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 50 5.50 5.63 2.00 36.76
030240xx97xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 その他の手術あり 21 7.43 8.27 0.00 25.52
03001xxx0200xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 19 11.21 12.45 0.00 62.68
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 18 6.00 6.68 0.00 46.89
030250xx970xxx 睡眠時無呼吸 手術あり 手術・処置等1 なし 16 6.88 8.01 0.00 7.13
当院は救命救急センターを併設しているため、扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽喉頭炎などの急性感染症の方が多く受診され、入院加療を行っています。扁桃周囲膿瘍には穿刺、切開排膿術を行っています。扁桃肥大、いびきなどの睡眠時無呼吸に対して口蓋扁桃摘出術を行っています。また、地域がん診療拠点病院であるので、口腔癌、咽喉頭癌などの頭頸部悪性腫瘍の集学的治療の一つとして放射線治療を行っています。

新生児内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 112 7.00 6.11 21.43 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 38 15.03 11.83 10.53 0.00
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 1あり 26 11.04 10.60 19.23 0.00
140010x299x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 1あり 18 18.22 23.19 16.67 0.00
140010x199x3xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 3あり 10 11.00 16.59 0.00 0.00
当院は、総合周産期母子医療センターとして機能しています。24時間体制で早産児の治療に対応します。出生までは、産科と協力し、適切な出生時期を検討し、緊急の出産にも対応します。出生時からは、新生児科専門医が新生児集中治療室で治療にあたります。多くの人工呼吸管理症例を管理しています。動脈管開存症や未熟児網膜症など専門領域の治療も外科や眼科医と協力して行っています。NICU退院後のフォローアップも臨床心理士と協力し積極的に行っています。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 36 3.14 7.38 0.00 68.97
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 22 24.45 20.84 13.64 63.41
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 16 12.63 10.18 0.00 72.75
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2 1あり 27.01
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 21.11
当科では弁膜症を始め、大動脈疾患、冠動脈疾患などの心臓血管外科領域の幅広い疾患に対して手術治療を行なっています。緊急手術も多く、また高齢で多くの併存疾患(糖尿病・透析・低心機能など)がある患者さんも多いですが、安全な手術を行い、早期社会復帰を目標に、各科と協力しながら診療にあたっています。
また、腹部・四肢の動脈手術や、慢性腎不全により維持透析が必要になった患者さんに対しての内シャント手術を行なっています。糖尿病患者の増加に伴い糖尿病性腎症から透析導入となる方も増えています。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 30 2.00 2.02 0.00 59.37
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 3.03
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 6.38
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 16.40
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12.95
当院では睡眠時無呼吸症候群で入院しての検査の必要な患者さんがコンスタントにいる状況で、平均在院日数は全国とほぼ同水準となっている。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 15 14 1 8
大腸癌 21 40 44 41 1 8
乳癌 17 14 1 8
肺癌 19 15 14 1 8
肝癌 14 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 1.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

胃、大腸、乳房、肺、肝臓の5つの部位にできるがんを5大がんと呼んでいます。
この表は5大がんにて当院に入院され、令和6年6月1日から令和7年5月31日までの期間に退院された患者さんについて、初発と再発の患者さんにわけて集計したものです。

こちらでいう「初発」とは、当院においてがんの診断や初回治療を行った場合を指し、「再発」は診断した施設を問わず、がん治療後に再発・再燃または新たに遠隔転移が見つかった場合を指します。
ただし、DPC様式1の入力マニュアル上、初回治療の完了後に当院にて診療を行った場合は、再発・再燃・新たな遠隔転移がなくても「再発」に含まれるため、一部の患者さんは再発がない場合でも「再発」の中で集計されています。

初発の患者さんはI期~IV期の4病期別(ステージ別)に集計しています。
病期分類(ステージ分類)には、国際的に活用されている「UICC TNM分類」によるものと、日本の各がんの関連学会・研究会がまとめた「癌取扱い規約」による病期分類がありますが、本集計では前者のUICCの病期分類に基づき集計しています。なお、UICCの版数は第8版を使用しています。

本集計は、DPCの「最も医療資源を投入した傷病名」のデータを元に、入院を要するがん治療を受けた延べ患者数をステージ別に表しており、がん治療中に別の併存疾患を中心に診療を行った患者数や、外来で治療を受けた患者数はこの表には反映されておりません。また、患者数が10未満の場合は、「‐(ハイフン)」で表記しています。

令和6年度の、当院で初発の入院加療を行った5大がん患者数は、大腸がんが最も多く、続いて肺がん、胃がん、乳がん、肝がんの順となっております。ステージ別でみると、最も多い大腸がんではIV期・III期の進行がんが多く、肺がん、胃がんではI期とIV期が多いのが特徴で、さらに乳がんではI期とII期が多くなっております。肝がんは全てのステージで10例未満なので患者数は表記されていません。

当院は、病期の進行度や患者さんの背景、年齢や全身状態を考慮し、それぞれの診療ガイドラインに沿って、がん患者さんやそのご家族が安心できる最善の診断・治療を行っております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 62 7.76 58.60
中等症 306 11.15 79.60
重症 64 17.23 84.86
超重症 19 23.05 81.47
不明
肺炎の総数は増え軽症・中等症が大部分を占める傾向は続き超重症患者の平均年齢が低下しています。軽症・中等症・重症患者の平均在院日数は軒並み短縮しており入院後のADLの低下を防止しながら速やかな自宅退院または転院調整が出来ていると考えられます。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 211 15.82 76.00 39.91
その他 22 13.45 74.27 4.29
救命救急センターにて数多くの急性期脳梗塞の患者さんを受け入れており、脳神経内科を中心に脳卒中関連部署で集約的なチーム治療を実践しています。あわせて、多職種連携・カンファレンスを開催し、回復期リハビリテーションの調整や介護保険サービス等社会資源の活用も積極的に行っています。その結果、昨年度と比較すると患者数は増加傾向にありますが平均在院日数は短くなっています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 112 0.94 3.70 1.79 60.21
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 44 0.20 2.05 0.00 37.41
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 39 1.00 2.10 0.00 66.59
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 等 30 1.63 10.40 0.00 69.67
K6335 鼠径ヘルニア手術 20 1.40 2.20 0.00 38.80
救急センターから来院される虫垂炎や胆石疾患の患者さんが多く、早期診断・早期手術を行っているため術前・術後入院期間が短くなっています。
また、低侵襲な腹腔鏡手術を行っているため早期の退院が可能です。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 162 1.58 17.97 67.90 76.22
K0811 人工骨頭挿入術(股) 83 2.77 18.95 73.49 82.23
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 59 1.85 8.22 15.25 61.54
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 等 31 1.58 5.61 9.68 50.42
K0821 人工関節置換術(股) 等 28 2.32 19.89 57.14 68.68
最も多いのは骨折観血的手術は、高齢者大腿骨転子部骨折に対するものが最も多く、交通事故、転落事故などの高エネルギー外傷による四肢骨折の治療が続いている。人工骨頭挿入術は高齢者の大腿骨頸部骨折に対する手術が多い。外傷だけではなく、股関節、膝関節の人工関節置換術も年々増加傾向にある。上腕や肘関節については専門性が高く、専門機関へ紹介しているが、股関節、膝については需要が非常に多く、一般整形外科の範囲内で対応すべき股関節手術であると考える。
手術日が決まっており、整形外科医の人数も少ないため、手術待機期間が全国平均より長い傾向がある。高齢者の骨折治療が多く、術後転院率が高い。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 42 1.98 4.07 2.38 69.50
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 39 0.82 9.33 5.13 79.97
K654 内視鏡的消化管止血術 35 0.60 8.40 5.71 71.31
K6852 内視鏡的胆道結石除去術(その他) 34 2.06 6.71 11.76 77.65
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 28 1.89 7.54 0.00 75.89
手術別では、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)42例(前年77例)、続いて内視鏡的胆道ステント留置術は39例(前年77例)、内視鏡的消化管止血術は35例(前年43例)となっており、いずれも減少傾向にあります。
内視鏡的胆道ステント留置術は、急性胆管炎に対する処置で、内視鏡的消化管止血術は、出血性の胃十二指腸潰瘍、食道静脈瘤破裂に対する処置で緊急に行われることが多い処置です。

産科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 137 4.66 6.53 0.00 32.33
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 87 4.10 5.76 0.00 34.16
K9061 子宮頸管縫縮術(マクドナルド法) 27 0.48 4.63 0.00 33.78
K893 吸引娩出術 20 1.65 5.25 0.00 33.35
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) 16 0.00 0.94 0.00 35.25
当院は総合周産期母子医療センターのため、ハイリスク妊婦の患者さんが非常に多く、分娩に占める帝王切開の割合が40%に及びます。緊急帝王切開が多いため、麻酔科・手術室と連携し、安全かつ速やかな施術に努めています。子宮頸管無力症に対する手術も必要な方に対して行っています。

婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K861 子宮内膜掻爬術 78 0.09 1.08 0.00 45.03
K867 子宮頸部(腟部)切除術 52 0.04 1.04 0.00 43.17
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 38 0.84 3.11 2.63 38.24
K879 子宮悪性腫瘍手術 35 1.91 6.34 2.86 58.86
K877 子宮全摘術 27 1.48 10.63 3.70 52.59
上位5位までを占める手術は前年年度と結果となっています。全体的に手術件数は減少していますが、子宮悪性腫瘍手術のみ若干増加しています。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 62 1.89 7.32 4.84 74.63
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 49 3.33 2.37 2.04 70.90
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞) 27 1.11 26.11 7.41 71.19
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 23 3.91 7.74 0.00 73.30
K597-2 ペースメーカー交換術 22 1.36 5.86 4.55 81.64
急性期治療に関しては、例年同様の症例数ながら超重症患者の長期入院加療により平均在院日数が増加となっています。四肢の血管拡張術・血栓除去術は昨年度より件数増えており、術後日数も大幅に短縮される結果となっています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 44 0.84 2.75 0.00 75.82
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 29 1.45 7.14 3.45 68.86
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 25 1.60 2.52 0.00 69.20
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 20 1.35 5.65 0.00 68.15
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 16 1.00 3.25 0.00 75.06
膀胱癌患者も増加傾向にある。

耳鼻咽喉・頭頚部外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 49 1.00 5.22 0.00 22.00
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 12 1.00 3.67 0.00 52.67
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 10 1.00 3.00 0.00 52.60
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 10 1.00 0.10 0.00 6.10
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 10 0.30 4.80 0.00 31.40
扁桃肥大、いびき、慢性扁桃炎の方には全身麻酔下に扁桃摘出術を行っています。扁桃周囲膿瘍の方には、局所麻酔下に切開排膿術を行っています。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 41 0.02 1.49 0.00 68.59
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈)
K5551 弁置換術(1弁)
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上)
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈)
診療範囲は緊急手術を要する急性大動脈解離、胸部・腹部大動脈瘤破裂などの大血管疾患から狭心症、心筋梗塞を含む冠動脈疾患、弁膜症、末梢血管疾患まで幅広く対応しております。時代のニーズに合わせ患者さんに低侵襲な治療である大動脈瘤に対するステント治療や、傷を小さくして行う小開胸手術などにも力を入れております。
また、慢性腎不全により維持透析が必要になった患者さんに対しての内シャント手術も行なっています。

新生児内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 73 0.00 37.85 4.11 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 27 0.00 52.07 3.70 0.00
K2762 網膜光凝固術(その他特殊) 16 56.06 82.44 6.25 0.00
K386 気管切開術
新生児仮死蘇生術
当院は、総合周産期母子医療センターとして機能しています。地域から多くのハイリスク妊婦を受け入れており、年間分娩件数も1000件を超えます。早産児を代表とするハイリスク妊娠では、出生時に呼吸不全を認めることが多く、その場合は、すみやかな新生児仮死蘇生が必要になります。通常分娩も予期せず新生児仮死をきたすこともあり、この際も新生児仮死蘇生が必要になります。当院では24時間体制で異常分娩には、新生児科医が分娩に立ち会い、新生児仮死蘇生が行える体制を整えています。

腎臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 13 14.62 19.08 15.38 73.92
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 10 5.00 23.10 0.00 61.80
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈)
腎臓内科における手術は血液透析や腹膜透析など腎代替療法に伴うものが多くを占めます。内シャント造設、人工血管を用いたブラッドアクセス確立、腹膜透析用カテーテルの挿入については外科、心臓血管外科の先生方の助けを借りながら行っています。透析に使用するシャントが狭窄・閉塞した際にはシャント拡張術や血栓溶解術を放射線科の先生方の助けを借りながら行っています。

腫瘍・血液内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 20 22.15 24.90 0.00 65.55
K386 気管切開術
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)
K654 内視鏡的消化管止血術
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満)
当科に入院中に手術を行っている患者様は、静脈留置ポート造設術を行った患者様が最多となっております。静脈留置ポートは、さまざまながんに対する点滴の抗がん剤治療を安全に行い、血管確保時の患者様の苦痛を軽減するために行っております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 79 0.72
異なる 40 0.36
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 106 0.96
異なる
当院では高齢かつ合併症(糖尿病、尿路感染など)の多い患者さん、寝たきりの患者さん、がん患者さん、低体重出生時など、幅広い年齢層、疾患の患者さんへ診療を行っており、近隣施設からも合併症を有する重篤な感染患者さんを受け入れているので、症例数が多くなっています。
手術・処置等の合併症については、どのような術式でも一定の確率で起こり得るものであり、創部感染床等が挙げられます。合併症を予防するため、手術や処置などを行う際には細心の注意を払い施行しております。主に感染症内科を中心に発生防止、および治療に取り組んでおります。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1339 1182 88.27%
手術後は体が動かない状態が続くことで血流が滞りやすくなり、血栓が形成されるリスクが高まります。この血栓が肺に移動すると、肺血栓塞栓症を引き起こすことがあります。特に、長時間の外科手術や整形外科手術(股関節や膝の手術)後にリスクが高くなります。予防策として、抗凝固薬の投与や弾性ストッキングの使用、早期の離床が推奨されます。肺血栓塞栓症は、血栓が肺に詰まることで呼吸困難や胸痛を引き起こし突然死にいたることもある疾患です。
当院では弾性ストッキングの着用や間欠的空気圧迫法(IPC)、抗凝固薬を用い、適切な予防対策を行っています。

血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
8570 4966 57.95%
当院では血液培養検査の採取において、成人では2セット採取が原則となっている。実施率が100%に達していない理由として、①連続菌血症を疑って追加採取をする場合は1セットでの採取になる、②小児科・新生児内科でも積極的に血液培養を採取しているが1セット採取が原則である(採血による貧血の発生を避けるため)、という理由が挙げられる。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
912 879 96.38%
静注抗菌薬を使用する前に培養検査のため血液やその他感染部位を想定した検体(尿、喀痰など)を採取することは、当院の原則的な対応である。広域スペクトル抗菌薬は一般的に静注抗菌薬であり、その使用前の細菌培養実施率はほぼ100%に近くなっている。

転倒・転落発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
129512 212 0.16‰
活動内容:
1.各病棟にて転倒・転落カンファレンスを開催し、対策の実行ができる
2.転倒・転落防止マニュアルの内容が看護スタッフへ浸透し、実践することで転倒・転落件数を減らす
3.センサーベッドのフローチャートを作成し活用する事で、転倒リスクのある患者へ適切な使用ができ、対策が実践できる

●入院ご案内パンフレット
<入院中の転倒・転落を防ぐために>
病院の環境は、普段住み慣れた家庭環境とは異なります。
入院中は、患者さんの病気や治療・処置・薬剤などの影響により、体力や運動機能が低下し、思いがけず歩行中に転んだり、ベッドから転落してケガをされることもあります。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

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退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
表中の「-」は退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数が10未満の数値であることを表します。

活動目標
転倒・転落レベル3b(骨折)を前年度7件より減らす
センサ-ベッドのフォローチャートの見直し、活用まで落とし込む。
転倒転落のインシデント発生時には、転倒転落評価シートの見直しを100%にする。

活動内容
1.各病棟にて転倒・転落カンファレンスを開催し、対策実行が出来る
2.転倒転落防止マニュアルの内容が看護スタッフは浸透し、実践する事で転倒転落件数を減らす
3.センサーベッドのフォローチャートを作成し活用する事で、転倒リスクのある患者への適切な使用ができ、対策が実践できる。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

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全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1393 1356 97.34%
安全で質の高い医療の提供に関して、当院では手術後の感染予防を目的として手術開始前1時間以内に適切な抗菌薬の投与を行っている。感染予防が、入院期間の延伸や医療費の増大を抑えることができると考えられる。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

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退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
124246 126 0.10%
R6.6.1~R7.5.31期間内の院内発生患者の内(d2以上の患者数の内)、褥瘡の深達度がd2(真皮までの損傷)の割合は89%だった。毎月褥瘡対策委員会を開催し、事例検討を行うなど褥瘡発生予防、重症化予防に向けて取り組んでいる。エアマットやウレタンマットを常備し、患者の状態をリスク評価し適切な体圧分散寝具を選択している。ベッド上やストレッチャー移動時のずれを予防する実技研修などを実施している。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

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65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
5696 5452 95.71%
当院では、入院基本料の施設基準に基づき、入院時の栄養管理計画書にて栄養アセスメントを実施しています。
具体的には、入院当日に看護師が栄養スクリーニングを行い、その結果をもとに管理栄養士が翌日にアセスメントを実施し、栄養管理計画書を作成する体制をとっています。
しかしながら、管理栄養士は土日祝日に勤務していないため、休日に入院された患者様については、「入院後48時間以内の栄養アセスメント」の実施が困難な状況です。
そのため、アセスメント実施率が100%には至っておりません。

身体的拘束の実施率

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退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
129512 3019 2.33%
当院では身体的拘束の最小化のための指針を策定し、緊急やむをえない場合を除き、原則として身体拘束をしない医療・看護の提供に努めています。
定期的に身体的拘束最小化チームが対象患者のもとをラウンドし、主に病棟看護師とカンファレンス後、主治医へ情報提供を行い、多職種で身体的拘束の早期解除に向け取り組んでいます。
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