呼吸器内科
基本方針
患者さんの問題に正面から向き合い家族とのコミュニケーションを図りながら個別に最善の医療の提供をチームで推進します。
診療内容
肺炎・気管支喘息発作・COPD急性増悪、等の急性期疾患が入院診療の中心となっています。その他にも肺癌・びまん性肺疾患・睡眠時無呼吸症候群、など呼吸器内科が扱う疾患は多岐にわたり、診断から治療まで専門的な診療を行っております。代表的な疾患について説明いたします。
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肺炎
急性呼吸器感染症であり、日本において死亡原因の第4位を占めています。肺炎の原因微生物は細菌だけでなく、ウィルスや真菌など数多く存在します。当院では喀痰グラム染色を含めた原因微生物の検索に力を入れており、治療開始時に原因微生物を可能な限り推定し、それに合わせた治療を行っております。
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気管支喘息
発作的な咳・喘鳴・呼吸困難などの症状をきたすアレルギー性疾患です。慢性期には吸入ステロイド薬を中心とした薬剤や、ピークフローによる自己管理を行っております。発作時には救急外来で対応し、必要があれば入院加療を行います。
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COPD(慢性閉塞性肺疾患)
咳・痰・息切れを主症状とする肺の病気で、原因のほとんどは喫煙です。肺気腫と呼ぶこともあります。当院では禁煙外来において禁煙をサポートするとともに、薬剤による安定期治療を行っております。呼吸不全が進行した場合は、在宅酸素療法や非侵襲的人工呼吸器療法(NPPV)を導入することもあります。回復期には早期のリハビリも導入しております。
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肺癌
レントゲンやCTで疑われる場合、気管支鏡検査などにより診断いたします。患者さんの状態や病気の進行度に応じて、外科や放射線科とも相談のうえ最適な治療を選択しますが、最終的には患者さんご本人やご家族と相談しながら治療方針を決定いたします。呼吸器内科では抗癌剤による化学療法を中心に行っております。
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びまん性肺疾患
特発性間質性肺炎や膠原病関連のものを含めて診断や治療に難渋することが多い疾患です。必要に応じて気管支鏡検査やビデオガイド下肺生検(VATS)を行い診断に努めており、病状にあわせた治療を行っていきます。
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睡眠時無呼吸症候群
いびきや日中の眠気などの症状から疑われる場合、ポリソムノグラフィー検査を行い診断しています。重症度が高い症例については、鼻マスクによる持続陽圧療法(CPAP)を導入しています。
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アスベスト
アスベスト暴露の職業歴のある方を対象に,定期健康診断を行っています。
呼吸器内科外来のご紹介
当科の外来を受診していただく場合は、基本的に予約が必要となります。
当科宛の紹介状をお持ちの方は、事前に地域医療連携室を通じてご予約いただくようお願い致します。
スタッフ紹介
診療実績
呼吸器内科・胸部外科検査、手術実績2018
- 気管支鏡:199件
- 入院患者数:1267人
- 退院患者数:1264人
学会発表・論文発表
内科年報 報告用 呼吸器内科業績 (2018年度)
口演
喜舎場 朝雄
- ATS 2018 San Diego 2018年5月22日
Clinical Characteristics Based on the New Criteria of Acute Exacerbation in
Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis Tomoo Kishaba,et al. - IPF Meet the Expert in TOCHIGI 2018年6月29日
主訴から考えるIPF診療について - 自治医科大学M6総括講義 2018年6月29日
症例提示:医療面接と身体所見からのアプローチ - 鹿児島 間質性肺炎カンファレンス 2018年7月20日
特発性肺線維症の診断のポイントと急性増悪について - 鹿児島 呼吸器若手向けセミナー 2018年7月21日
実臨床での呼吸器疾患へのアプローチ - 第81回日本呼吸器学会九州地方会学術講演会
教育講演2018年10月5日ARDSについて - 鴨川IPF Seminar特発性肺線維症の診断のポイントと急性増悪について
2018年10月 22日 - 第82回日本呼吸器学会北陸地方会 特別講演 2018年10月27日呼吸器疾患を眺める
- 第13回沖縄呼吸器セミナー なるほど納得!
匠の読み方 2019年2月3日 - 旭中央病院講演会 呼吸器疾患を照らしてみよう 2019年2月8日
奨励賞受賞
「臨床研修病院が行う在宅医療が若手医師の育成と定着に果たす役割」 - 多職種地域ケア交流会 講演 「在宅での人工呼吸」
2019年1月24日沖縄県立中部病院 第一会議室 - 啓発イベント がんを知ろう「肺がんについて
2019年2月23日
サンエー具志川メインシティ 1階ホール - 平成30年度 ヘルシーおきなわシティ21「37さんなな運動」講師
「がんと生きる」
2019年3月24日 吉原自治会
長野 宏昭
- 内科学会総会ことはじめ2017 2017年4月25日
発表指導「経管栄養を契機とした高アンモニア血症から意識障害をきたし、先天性門脈下大静脈シャントが指摘された一例」
優秀演題賞、指導医教官賞を受賞 - 日本呼吸器学会総会 2018年4月29日 大阪国際会議場
ミニシンポジウムにて口演
「沖縄県の二医療機関における肺NTM症の疫学調査および肺M.abscessus症の臨床的特徴の解明」 - 日本在宅医学会20回記念大会
2018年4月29日 東京 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール
優秀演題口演 「臨床研修病院が行う在宅医療が若手医師の育成と定着に果たす役割」 - ATS 2018, San Diego, May18-May 23
Rapid Abstract Poster Discussion Sessions
「Causative species of nontuberculous mycobacterial lung disease and clinical features of Mycobacterium abscessus complex (MABC) disease」 - 介護の寺子屋 2018年9月 19日
場所:いきがいクリエション(沖縄市美里)
「地域と共に考える肺炎のお話」 - 上本町呼吸器セミナー 特別講演 2018年11月17日
「地域の暮らしと呼吸器感染症」
ホテルアウィーナ大阪上本町 - エンドオブライフケア(ELC)沖縄勉強会 主催
2018年 11月 25日
沖縄県立中部病院 第一会議室 - クリニカルリサーチアワード 主催
2019年1月18日
奨励賞受賞
「臨床研修病院が行う在宅医療が若手医師の育成と定着に果たす役割」 - 多職種地域ケア交流会 講演 「在宅での人工呼吸」
2019年1月24日
沖縄県立中部病院 第一会議室 - 啓発イベント がんを知ろう「肺がんについて」
2019年2月23日
サンエー具志川メインシティ 1階ホール - 平成30年度 ヘルシーおきなわシティ21「37さんなな運動」講師
「がんと生きる」
2019年3月24日 吉原自治会
誌上発表
喜舎場 朝雄
- 肺炎の臨床診断 自然科学社 2018 Volume 75 No.5 p465-470.
- 鎮咳薬・去痰薬 内科 南江堂 2018 Volume 2 No. 121 p1125-1129.
- 院内肺炎、医療・介護関連肺炎 感染症診療 ゴールデンハンドブック 南江堂 2018 No.2 p78-85.
- この肺炎、定型? 非定型? 医学書院 2018 Volume 55, No.9 p1357-1361.
- 肺ノカルジア症の画像所見 明解 画像診断の手引き 国際医学出版 2018 Volume 174 No.38 p1-16.
- Clnical characteristics of dermatomyositis/polymyositis associated interstitial lung disease according to the autoantibody. Kishaba T, et al. J Med Invest. 2018;65(3,4):251-257.
- 非特異性間質性肺炎(NSIP)呼吸器疾患 診断治療アプローチ 中山書店 2018 Volume 1. No.1 p186-193.
- 宮城征四郎先生はかく語りき 総合診療 医学書院 2018 Volume 28. No. 10, p1400-1402.
- New era of Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Kishaba T. Respir Investig. 2018 Nov;56(6):427-429.
- COPDの外来定期診療でチェックすべきものについて jmed 日本医事新報社 2018 Volume 59 p87-93.
- 急性期の症状を認める呼吸器疾患患者の病歴聴取・診察所見と鑑別診断南江堂 内科 2019 Volume 123 No. 1 p15-18.
- COPDの外来定期診療でチェックすべきものについて jmed 日本医事新報社 2018 Volume 59 p87-93.
- 肺膿瘍、膿胸 志学書店 感染症 最新の治療 2019-2021 p115-117.
- Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Kishaba T. Medicina (Kaunas). 2019 Mar 16;55(3).
長野 宏昭
- 1.「非結核性抗酸菌症」
感染症診療 2019-2021 211-213頁 - 2. 在宅医療における輸液(とくに終末期について)
内科 122(5): 955〜959, 2018
後期研修プログラム
私達は、当コースで、地域の中核病院で内科医としての任務を果たしながら、なおかつ、呼吸器診療全般に亘る医療を提供できる医師の養成を目指していきます。呼吸器内科はアレルギー疾患、感染症、全身性疾患の肺病変、肺循環、悪性疾患などカバーする領域が多岐にわたり内科一般の知識をふまえた総合力が問われる分野です。従って当科では内科医師と しての基本的な診療能力を土台として総合力の高い呼吸器内科医師を育てていく事を目標としています。
後期研修期間は4年間とし最初の1年間は循環器内科、集中治療室、腎臓内科、消化器内科などの各分野をローテーションしてもらいます。
当院のシステムや救急当直になれる必要がある場合は、短期間、初期研修プログラムに編入してもらう場合もあります。2年目(PGY4)からは呼吸器内科のフェローとしてのローテーションが中心となりますが、この間も内科後期研修医の一員として、救急室や内科病棟の当直があります。
フェローとして気管支鏡、肺生検、胸膜生検などの手技はもちろん、他科からの豊富なコンサルトの対応、院内の人工呼吸器患者への多角的なアドバイスなどに我々スタッフと協力して精力的に取り組んでもらいます。また、肺癌、悪性胸膜中皮腫患者への化学療法、緩和ケアも学び、全人的医療ができる医師を養成します。
3年目(PGY5)には、離島研修として、沖縄県の地域中核病院で、一般内科医師かつ呼吸器内科医師として、実践的な研修を積んでもらいます。離島中核病院(県立宮古病院、県立八重山病院)は内科学会の認定教育関連施設であります。配属先の離島中核病院では呼吸器疾患の急性期から慢性期まで責任を持ち学ぶ事が出来ます。また、難しい症例や検査などに関しては必要に応じて当院スタッフがいつでも診療応援を行います。
4年目(PGY6)では再度県立中部病院のヤングスタッフとして勤務して機能形態学、病理生理学、分子生物学、薬理学、遺伝学、疫学、症候学、診断学、治療学に関する豊富な知識を有し、重要な専門的検査技術を取得し、広い範囲の呼吸器疾患の知識と理解、及び重要呼吸器疾患の臨床経験をし、高邁な医療倫理感を有する呼吸器内科医師専門医師への道を我々とともに歩んでいきます。