院長あいさつ

病院長拝命の挨拶

2020年4月1日付けで沖縄県立中部病院の病院長を拝命しました玉城和光です。
私は1986年にここ中部病院で研修医として医師人生をスタートし、修了後は離島とさらには米国に研鑽の場を求め、1998年に当院へ戻ってまいりました。
研修を通じて自分が担当した患者さんや家族から温かく見守られながら医師として育てられて来たと感じています。そしてそのことへの感謝と恩返しの気持ちで、一人ひとりの患者さんに対し、身につけた診療技術を最良の形で提供できるよう、日々努力してまいりました。

私は、折々に自問することがあります。それは、中部病院の存在意義とは何なのかということです。

当院は「すべての県民が、いつでも、どこでも、安心して、満足できる医療を提供すること」を理念とし、「患者中心主義・社会的貢献・チームワーク」という標語を掲げ、それに向かって努力を積み重ねてまいりました。

この理念の達成のため、特に病院を挙げて力を注いできたのが人材育成です。

「どこへ赴こうとも、その地域で、いつでも安心して満足できる医療を提供できる人材」を育てる。「患者さん一人ひとりに、最適で最良の質の医療を提供するための知識と技術を追い求める探求心と気概に溢れた人材が集い、育っていく病院」になること。
それが中部病院が最も力を入れていることであり、そのような医療人を輩出することに全職員で取り組む、そんな教育文化の根付いた病院になることを目指しています。

中部病院は、1967年に臨床研修事業を開始し、これまでに1000人以上の医師を世に出してきました。ここを巣立った医師たちは、沖縄県内のみならず、日本全国、さらには世界各地へと羽ばたき活躍しております。そして大変喜ばしいことに、各地で研鑽を積み、最新の知識と技術を身につけたのち、指導者として当院へ戻ってくれる者が常にいてくれるのです。彼らは後進の指導に一生懸命取り組み、彼らの教えを受けた者たちも又当院を巣立ち、研鑽を積み、再び戻ってくるという人材育成のサイクルが途切れることなく回ってきたのです。それが当院を今日まで継続させ、ここまで発展させてきた原動力なのです。

最適で、最良の質の医療を追い求める者は、自分の専門分野だけでなく、幅広い領域に渡る知識を持ち合わせ、実践もできているものです。さらにその時々の最先端医療についても造詣が深く、頭の中には多くの引き出しを持っています。それに加え、患者さん一人ひとりに対して、最適な治療方法を選択し、結果を引き出す能力にも長けているのです。医療人は、医師でも看護師でもコメディカルでも、さらに事務職であっても、そのようにあるべきだと思っています。
そのような人材を当院から数多く世に輩出することが私の夢なのです。そして、当院の職員たちが持っているポテンシャルを見るにつけ、彼らがこの夢を必ずや実現させてくれるものと確信しています。

私は、当院の研修でよい医療人を作ることが、患者さんの満足につながると信じています。これからも地域住民に安心して満足できる医療を提供し、地元で安心して暮らせる社会づくりに全職員を挙げて誠心誠意取り組んでまいります。皆様におかれましては、これまで以上の御指導と御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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