頭蓋顎顔面センター
頭蓋顎顔面センター
顎顔面領域は、耳鼻咽喉科頭頸部外科、形成外科、口腔外科の対象疾患を主とすることが多く、各科の境界領域に関わる病気や、複数の科にまたがる病気をもつ患者さんを治療することも少なくありません。そのため、本センターにおいては、中部病院をはじめとした頭蓋領域に関わる専門性を持った県立病院医師がチームを組んで協力し、様々な疾患に対して積極的に治療を行っています。
さらにより良い医療を患者様に提供するために、カンファレンスはもちろんですが、同一手術やフォローに際して、それぞれの専門科が同時に参加し、お互いの得意分野を専門科が治療を行うという専門性の高い医療技術を提供しています。具体的な疾病としては、先天的な顔面奇形、顎変形症、癌を含む頭頸部腫瘍や、顔面外傷などがあげられます。
2013年から、先天的な顔面奇形の口唇口蓋裂に対して、出生から成人まで一貫したチームによる医療を本島はもとより、島嶼圏である宮古、八重山においてもチームで同様な医療を展開し、良好な結果・評価を得ています。顎変形症の治療に関しては、本センターが中心となり、県立病院の全てにおいて、現地解決型医療を展開し、患者様中心の医療を実践しています。また、県立病院では全国でも類をみない、形成外科医と口腔外科医が密に連携した手術を行っています。お互いの専門性を生かしながら、咬合面から整容面を含めレベルの高い高難度の手術を行うことが可能となっています。(※)
頭頸部癌に関しては、腫瘍切除、腫瘍切除後の皮弁作製や再建術、インプラントによる咬合構築などの同時再建、特殊な義歯や装置(顎義歯や顔面エピテーゼ)による補填、修復など体系的な治療が可能となり境界領域の”壁が”なくなり治療成績、QOL向上に寄与しています。
また、顔面外傷の治療において、整容的修復はもちろんですが噛み合わせを含めたいわゆる顔面領域全般の形態と機能の回復にも大きく貢献しています。
このように、境界領域にまたがる疾患を総合的に治療する医療施設は県下には少ないため、当センターではこれまでよりも県民に地域格差のない”いつでも・どこでも安心した医療を提供する”理念を実行し、境界領域の”壁”を取り払うという使命が達成できるように地道に努力していきたいと考えています。
(※)難易度の高い顎骨延長や独自に考案したL shaped LFⅠ osteotomyなど、積極的に治療を行っています。
頭蓋顎顔面センター 責任者
■センター長 須藤 敏
日本耳鼻咽喉科学会専門医/指導医
日本頭頸部外科学会頭頸がん専門医
■副センター長 比嘉 努
日本口腔外科学会専門医/指導医
顎変形症学会認定医/指導医
日本外傷歯学会 認定医/指導医
日本口蓋裂学会認定師
■副センター長 仲間錠嗣
日本口腔外科学会 専門医
日本小児口腔外科学会 認定医/指導医
日本外傷歯学会 認定医/指導医