産婦人科専門研修プログラム

専攻医(後期研修)/ 産婦人科

プログラム紹介と教育ポリシー

理念

女性特有の疾患や、合併症妊娠に対する診断/治療能力を身につけるため、ER併設の総合病院での初期/後期研修を主体とします。
また離島を多く抱える沖縄県特有の地域特性に見合った総合力を持った産婦人科医を養成すること、産婦人科以外の領域の専攻医が産婦人科領域の基本診療能力を習得することの支援を研修の本幹と位置づけています。
初期研修では、女性の診療の基本的知識、技能、態度を身につけることを目標としています。
後期研修では、産婦人科診療能力の向上だけではなく、当院が地域医療において果たすべき役割を自覚し、指導医とともに地域に貢献出来る ような高度で質の高い医療を提供し続ける工夫ができるようになることも求められます。

当院での研修の特徴

全科に共通する当院の研修の特徴として、1次から3次までのすべての救急患者に対応する救急センターを擁し、救急疾患を経験できる機会が 多いこと、単独主治医制ではなくグループ診療を行っており、常にpeer reviewが行われていること、指導医や臨床研修事業を委託している ハワイ大学からのコンサルタントによる教育回診やカンファレンス、レクチャーが数多く実施されていること等が挙げられます。

産婦人科では、ER併設型総合周産期母子医療センターでの研修を通して、数多くの救急疾患、合併症妊娠症例を経験することができます。
また、多彩な専門性をもつ指導医のもとで、臨床遺伝医学、婦人科悪性腫瘍手術、緩和ケア、社会的問題への対応等について学ぶことができ ます。 すべての症例に対して、指導医のサポートのもと術者や担当医として主体的に関わることができることが大きな特徴です。

初期研修中より基本的な手術の執刀を開始し、後期研修では500例以上の手術を執刀することができます。当院は産婦人科専門研修の基幹施 設となっており、院内では外来及び病棟での産婦人科診療のみならず、NICUや麻酔科、泌尿器科など関連科での研修も可能です。県内の他の 県立病院との連携により地域医療を学ぶ、県外の他の基幹施設との連携により多様な診療を知る、県内施設にて内分泌不妊治療を学ぶ、など の機会が準備されています。当院は、地域医療への貢献の一環として、地域の医師を交えた症例検討会や、 ALSO(Advanced Life Support in Obstetrics)/BLSO(Basic Life Support inObstetrics)、NCPRコース開催にも取り組んでおり、 専攻医も症例報告者やアシスタント、インストラクターとして関わっています。また、当院には病院拠点型のワンストップ支援センターが あり、暴力や虐待などの社会的問題への対応についても学ぶことができます。

プログラム年および研修目標

研修医は、指導医のサポートのもとほとんどの手術に術者として関わります。
産婦人科外来だけでなく、ERから多くの症例を学びます。 同時に指導医のもと、学会発表や論文報告などの学術活動も行います。
PGY1は、2ヶ月の産婦人科ローテーション中に、産婦人科の病歴聴取、内診や胎児モニタリング、分娩管理などの基礎を学びます。
ローテーション終了時には、正常分娩の介助、会陰裂傷縫合ができるようにすることが目標です。
PGY2は、帝王切開、子宮内膜掻爬などの基本的な手術を学び、術者として執刀できるようになること、分娩の進行を評価し、自ら管理の計画 を建てられるようになること、分娩前後、手術前後の評価を行い適切な指示ができるようになることが目標になります。また同時にPGY1の指 導が求められます。
PGY3は、ハイリスク産科症例の管理ができること、単純子宮全摘術、子宮附属器腫瘍に対する手術などを術者として執刀出来るようになるこ とが求められます。また婦人科悪性腫瘍の手術、化学療法、放射線療法を計画実施すること、外来診療の基本を身につけることが求められます。
PGY4は、MFICU(母体/胎児集中治療室)の重症産科症例の診療の中心となること、腟式手術や腹腔鏡下手術などやや複雑な手術の術者と なること、カンファレンスの進行や他科との協同診療のコーディネートも求められる役割となります。
PGY5は、産科、婦人科それぞれの診療グループのなかで中心的な役割を担い、病棟スタッフとの調整や、後輩研修医の指導を行いながら診 療を進めることが求められるようになります。

取得可能な専門医資格

日本産婦人科学会専門医

指導体制

指導責任者:大畑 尚子
指導医:橋口 幹夫、高橋 慶行、金城 国仁、三浦 耕子、中澤 毅

診療実績

2023年 手術経験数(助手含む)

手術内容 PGY5
(8ヶ月間)
PGY4
(6ヶ月間)
PGY3
(8ヶ月間)
PGY3
(8ヶ月間)
PGY2
(8ヶ月間)
PGY2
(4ヶ月間)
D&C 15 18 30 22 9 4
子宮頸部(腟部)切除術 7 15 11 11 6 2
卵管結紮術 9 3 11 14 3 1
子宮全摘術
(子宮附属器腫瘍摘出含む)
11 9 8 9 0 2
子宮附属器腫瘍摘出術
(両側)(腹腔鏡)
7 6 8 6 1 5
婦人科悪性腫瘍手術
(子宮体癌・卵巣癌・子宮頸癌)
1 11 11 5 0 2
子宮附属器腫瘍摘出術
(両側)(開腹)
4 4 7 5 1 2
腹腔鏡下腟式子宮全摘術 3 9 2 3 0 2
子宮内膜ポリープ切除術
(その他のもの)
2 2 6 6 0 1
異所性妊娠手術
(開腹・腹腔鏡含む)
0 2 7 1 0 0
子宮脱手術
(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式)
2 3 1 1 0 0
バルトリン腺嚢胞腫瘍摘出術
(造袋術を含む)
1 0 4 1 0 0
女子外性器腫瘍摘出術 0 2 1 2 0 0
子宮息肉様筋腫摘出術(腟式) 4 1 0 0 0 0
子宮鏡下手術 2 1 2 0 0 0
腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 0 1 0 0 0 0
分娩介助数 83 38 146 111 46 34
経腟分娩 21 13 68 35 27 23
帝王切開術 62 25 78 76 19 11
子宮頸管縫縮術 2 2 4 3 0 0

※()は研修医の在籍期間

後期研修医募集

現在他院にて初期研修中で、今後産婦人科専門医を目指そうと考えている研修医諸君。当院で後期研修しませんか。
当院は産婦人科専門医取得に必要十分で多彩な症例にあふれています。また、経験豊富な厳しくも暖かい指導を生き甲斐とする熱心な指導医が多数在籍しています。他院で初期研修した方でも全く問題ありません。必要なのはやる気だけです。事実、現在、他院で初期研修を終了後に当院専門医研修を継続中、もしくは修了し専門医を取得した医師も多数おります。私たちと共にアクティブな研修をして専門医をめざしてみませんか。
やる気のあるあなたを大募集中です。


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