内科専門研修プログラム

内科総合専門研修プログラムの紹介と教育ポリシー

  • 豊富な症例数の中には、専門知識のみではなく、他の診療科に関わるプロブレムへの知識も必要とすることがあります。当院はGeneral mindを最重要視しており、どのような診療科に進もうとも内科の基礎を作る研修プログラムを提供します。
  • 内科を含む医療知識だけではなく、沖縄という地域の特徴を理解し、地域の実情に応じた地域医療を実践する医師を養成することを目指しています。すなわち、病気や患者を治すだけでなく、一人の地域住民を地域に帰っていただく医療と社会の関わりを重要視しています。
  • 新専門医研修修了要件を十分満たし、さらに2年目より希望する専科の研修も並行して行うことも可能です。(今後、各専科の専門医制度の整備にも柔軟対応する)

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プログラム概要

  • プログラム年数は3年間です。
  • 症例数は全分野にわたって豊富であり、内科総合専門医取得に必要なJ-OSLERも2年間で十分達成可能です。
  • 内科総合専門医を取得できるほか、各専科の並行研修も十分可能です。(詳細は「各診療科の紹介」をご参照ください)

OCH内科研修プログラム

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内科医として独り立ちを目指しており、3年目はへき地・離島病院においてスタンドアローンな医師として研鑽を積むことになります。(沖縄県立北部病院、沖縄県立宮古病院、沖縄県立八重山病院)

研修医の声、修了生の声

  • 内科専攻医(消化器内科) 奥村和也
    「沖縄県立中部病院内科専攻医(後期研修)プログラムのススメ」

    こんにちは!早速ですが当院の内科専攻医(後期研修)プログラムのオススメポイントは…
    ①経験豊富で充実した数の指導医(一生ものの「師匠」が見つかる可能性大!)
    ②バラエティに富んだ豊富な症例数(専攻医終了要件のJ-OSLERの症例経験(56疾患群、症例要約29件、症例登録200件が1年で積める可能性あり!)
    ③沖縄ライフこの3つに集約されると考えています。

    この3つのどれか一つにでもご興味があればぜひ見学にきてください。
    では順に説明していきます。
    ①経験豊富で充実した数の指導医
    自画自賛ですが、すごいと感じています。内科スタッフ数は44人と、同規模の病院より格段に多いです。そして何より自分の人生のロールモデルとなる、「師匠」が見つかる可能性が高いです。米国帰りの先生も多く、日米の医療の比較もしながら診療を行うことも多いです。また、毎週1-2回開催されているスタッフとのカンファレンスや専攻医同士のケースカンファレンスでも、指導医の凄さを実感することが多いです。そして何よりベッドサイドティーチング。手から診察する「手あて」の診察スタイルや、ここまで聴診一つで患者さんの病態生理に迫る回診など、医学生の際には体験、経験できなかったベッドサイドティーチングが沖縄県立中部病院にはあります。

    ②バラエティに富んだ豊富な症例数
    自慢ではないですが、内科専攻医1年目までに専攻医終了要件のJ-OSLERの症例経験(56疾患群、症例要約29件、症例登録200件)を書き上げました。偏ったコモンな症例(胃腸炎、嚥下性肺炎、腎盂腎炎等)だけが集まるのではなく、大学病院等で主に扱う症例(ウィップル病、多発性硬化症等)も経験できます。そして何より、記載した症例要約、症例登録の手厚いフィードバックがすごいです。各専攻医に指導医が一人つき、熱の入った「赤ペン先生」、熱血指導が入ります。このディスカッションが非常に勉強になります。

    ③沖縄ライフ
    仕事だけでは人生豊かになりません。沖縄の海、快晴があってこそ、上記①②の良さが際立ちます。子育てに対しても寛容で、沖縄の隣人は優しい方が多いです。何かご質問があればいつでもご連絡ください。まずは見学をお待ちしております!

  • 50期 内科専攻医 照屋寛之

    少しでも興味がある方は是非見学に来て頂き、実際に体感してください。沖縄県立中部病院の専攻医研修について少しですが紹介したいと思います。

    1つ目は中部病院には循環器内科や消化器内科から血液腫瘍内科や膠原病内科など各科が揃っており、各科で研修を積むことができます。初期研修からのマインドであるジェネラル力を重視しており、主訴から鑑別をあげて問診を重ね、身体所見で疾患の痕跡を探し、根拠を持って検査を進める研修を行なっております。集中医療からCCUでの心エコーやCAG、PCIといった手技を始め、血液腫瘍内科や膠原病内科での免疫抑制状態における治療など幅広く学ぶことができます。また感染症内科も根幹であるため、根拠を持った抗菌薬の選択など医師としての軸を会得することができる研修です。

    2つ目として、初期研修医も全国から意欲的な人が集まっており、専攻医研修においても優秀な同期と切磋琢磨しながら研修できるため、沖縄という暖かい地で医師としてstep upできる環境です。各研修病院の違いは環境も重要ですが、優秀でやる気のある意欲的な同期の存在は非常に大切であり、一生の仲間ができます。

    3つ目として学会発表や論文投稿も病院全体で力を入れており、各科から強力なサポートを得ることができます。院内でのlectureも盛んであり、海軍病院とのconferenceも定期的に開催しております。ハワイ大学を始め、consultantの医師も定期的に在籍するため、英語で直接指導を受けることが可能です。土地柄もあり、母国語が日本語でない方も患者様に少なくないため、英語での診療力も磨くことができます。 外来診療で学ぶ疾患も多いため、中部病院では初期研修から外来診療を行なっており、専攻医研修でも1年目から外来診療を行い、上級医とdiscussionして直接指導を受けることができます。

    以上、簡単に中部病院での研修について記載しましたが、伝えたいことは沢山あり一部を紹介しました。専攻医から中部病院で研修を行う先生も多く、良き同期と切磋琢磨して成長することができます。一緒に中部病院で研修をしませんか。是非、一度見学に来てください!

  • 50期 総合チーフレジデント 板金正記

    みなさま、初めまして。
    50期総合チーフレジデントの板金です。内科コースで、リウマチ膠原病内科を専攻しております。
    早速ですが、当院の後期研修についてお話したいと思います。他院から内科後期研修で当院にこられる方には、救急、一般内科(腎臓、感染症、呼吸器、血液腫瘍内科、総合内科など)に加え、CCU、ICUなどのIntensive careをまず1年間ローテーションしていただきます。その後、4年目は主に将来専科とする科(板金の場合は、リウマチ膠原病内科・腎臓内科)を中心にローテーションし、5年目は離島研修(県立北部、宮古、八重山病院のいずれか)となります。まず内科の基礎を固め、次に専門性をもち、最後の離島で自己研鑽を積むといったイメージです。

    当院の内科研修は、「専科だけでなく幅広く内科を学びたい」方におすすめです。私は実際に離島実習などを通じて、どの科にすすもうとも「基礎的な内科の知識があり、初期対応ができる」ことが大切だと感じています。当院では、日々の業務、救急・病棟当直にて様々な疾患をもつ患者への対応を求められ、そのスキルを磨くことができるのです。もちろん、それをサポートする環境も整っています。当院は、各科のSpecialistがとても教育的でいつでも相談できる環境があり、毎日の成長をサポートしてくださいます。

    また当院では後期研修医は内科外来をもつことができます。Common diseaseのマネジメントはもちろん、希望する専科の外来患者も受け持つことができます。実際、私も週2回外来をもち、糖尿病や慢性腎不全に加えリウマチ膠原病の患者を多く診させていただいております。外来のバックアップ体制も素晴らしく、金城紀与史先生、金城光代先生をはじめとした素晴らしいGeneralistがサポートしてくれます。当院は、研修医の学会、論文発表にも力をいれています。沖縄から世界へ発信しようというモチベーションが高く、学会、論文発表に協力的なスタッフが多数おり、積極的な声かけ・サポートがあります。また、当院には教育的な素晴らしい症例がたくさん集まることも大きな特徴です。そのため専門医登録に必要なJ-oslerの登録の際に、症例不足で困ることはまずないでしょう。
    是非、当院で一緒に働きませんか。豊富な症例、モチベーションの高い素晴らしい同志、教育的なスタッフがおり、そして青く美しく心を癒やしてくれる海に囲まれた当院での研修を、自信をもっておすすめします。

  • 福島県立医大総合内科 會田哲郎
    「前のめり研修のススメ」

    今、私は福島県立医大総合内科の医局内で紹介文を書かせていただいている。私が沖縄県立中部病院(Okinawa Chubu Hospital: OCH)を目指したのはほかでもない福島に総合内科やgeneral mindを根付かせるために学び持ち帰るためである。卒後6年目から福島医大総合内科の立ち上げに関わらせていただいていること、現在診療や後輩の指導に当たることができているのもOCHでの初期研修、そして内科専攻医としての研修があったからだと強く思っている。非常に充実し、魅力的な内科研修であることを述べていこうと思う。

    第一に内科医としてのgeneralの素養が確実につく研修である。豊富な症例はいうまでもないが、研修を終えた先、つまり離島診療を見据え必要十分な研修をすることが可能だ。まず専攻医研修前半でICUやCCUにおける重症疾患のマネージメントを学ぶ。また、消化管内視鏡検査や透析療法などの手技に関しても学ぶことが可能だ。血液内科疾患や膠原病など希少疾患に対する初期対応も研修できる。このバランスの良さが専攻医研修の売りの一つだろう。この研修を行えば確実に中隔病院のgeneralistとして最低限のマネージメントを学ぶことができる。それは経験の浅い研修医には非常にありがたい内容である。

    また、専攻医研修後半での自由度の高い研修も魅力的だ。私は総合内科医志望であったため中核病院にいった際に人手が少ない診療科を集中的に研修した。具体的には病棟診療は感染症内科、血液内科をそれぞれ半年近く回り、外来診療は週2回でそれぞれ膠原病内科の専門外来、神経内科の専門外来を行った。もちろん研修医の希望によりSubspecialtyに力を入れた研修も選択できる。このような充実した自由度の高い研修を送ることを可能とするのはgeneralistとしての能力も極めて高い臓器別専門医の指導医の存在だろう。私のようなものに対しても熱心に指導していただけるのは中部病院ならではと思う。

    充実した指導体制は臨床だけにとどまらず、学会発表や学術論文記載にも及ぶ。また、私としてはチーフレジデント時代(PGY-4)にはカンファレンスの運営や病院のQuality improvementを学ぶことができたことも良く、総合内科医としての基礎力をあげることもできた。

    以上が私の思うOCHでの内科専攻医研修の魅力である。このような恵まれた環境がOCHにはあるが、これを十分に活かすために最も大切なのは研修に臨む”Passion”だと思う。ぜひこの文章を読んでいる後輩の皆様にはOCHの恵まれた環境に飛び込み、大いに活用し「前のめり姿勢」で研修に全力で取り組んで欲しい。OCHでの研修を終え、共に医療の最前線で活躍することができれば幸いである。

  • 岡山大学病院総合内科・総合診療科 徳増一樹
    「沖縄県立中部病院内科研修の強み~本当のGeneralistを目指して~」

    新内科専門医制度がスタートし、早2年目に突入しています。3年間の内科後期研修で、J-OSLERというシステムに56疾患群の160例以上の症例を登録し、29症例の病歴要約を記載しないといけません。中身を覗くと、消化器、循環器、神経、膠原病など幅広い内科診療が必要になってきます。それでは、これらを達成すれば「内科医」としての後期研修は十分なのでしょうか。実際、個々の医師の能力は様々で、かなりの部分が自身の生涯学習の程度に依存しています。つまり、常に学ぼうとすれば博識で幅広く診療できる医師になり、学びを怠れば現代の医学に取り残されてしまいます。内科医師になるうえで重要な内科後期研修ですが、これからの日本の医療を考えた時に必要な「内科後期研修」は、どのような研修なのでしょうか。必要なのは、「一つ目は幅広い診療能力であり、二つ目は専門性である」。
    これはよく言われているフレーズで、誰しもが確かにその通りだと思うでしょう。しかし、その実態は様々で働く環境に大きく依存しています。専門医が少なく、高血圧症、糖尿病、甲状腺機能低下症、骨髄異形成症候群などバラエティーに富んだ疾患を幅広く診療している内科医もいれば、大病院勤めで自身の専門性が高く、専門領域以外の部分はほとんど診療できていない内科医もいます。つまり、この幅広い診療能力と専門性のバランスは自分自身が働きうる環境で大きく変わってくるのです。あなたは、どのような環境で働こうと考えていますか?

    私の考えるGeneralism
    私は初期臨床研修医になりたての4月、沖縄県立中部病院の救急センターで当直をしていました。人生で初めて受け取ったホットラインの電話は、救急隊員の「受け入れは可能ですか?」という必死な声でした。救急車で飛ばして一時間かかる場所からの電話で、私は初めての事だったので困惑しました。すぐ周りにいた先生に受け入れは可能ですかと尋ねました。その先生は「もちろん。」と答えてくれました。その先生は産婦人科の7年目の先生で、どんな患者さんとも聞かずに即答でした。その時、沖縄県立中部病院の救急医療に対する姿勢を感じました。どんな患者さんでも受け入れられるというキャパシティがあるということ、その責任を負えるだけの覚悟があるということ、それを初期研修医のなりたての4月に肌で感じたのです。それからもう6年が経ちました。私は総合内科医・総合診療科医として岡山大学病院や地域の病院で勤務しています。救急診療からは遠ざかってしまいましたが、内科外来や病棟では来られた患者さんを断らないことを信条に診療しています。「専門外だから」と断るのは簡単です。しかし、目の前には困っている患者さんがいます。幅広く診療することに対して「責任感」と「覚悟」をもつことが本当のGeneralismだと思っています。

    本当のGeneralism研修とは
    沖縄県立中部病院の内科後期研修の最大の強みは何といっても「経験数」です。消化器、循環器、神経、血液、膠原病、腎臓・・・各診療科で主体的に数多くの患者を担当します。受け持ちが15人というのはよくあり、多い時には30人~40人にも上ります。もちろん自分一人では診療できないので、上級医のサポートの上です。この「主体的に」というのがミソで、研修ではまず自分で回診(プレ回診)を行い、朝のカンファレンスやレクチャーを経て指導医回診があります。プレ回診で患者の方針を「自分で」決めて、指導医回診で確認・フィードバック・訂正を行ってもらいます。まず、自分で方針を決めるのが重要で、その上に自分で下した決断にフィードバックをもらうのが研修としてとても効果的なのです。私がなぜ経験数にこだわるのかというと、事実、その後の診療で大きな影響を及ぼしているからです。かぜ症状で救急にきた初発のSLE、マクロファージ活性化症候群、成人スティル病、術後におこった巨大肺塞栓、急性膵炎、特発性細菌性腹膜炎、腹痛が主訴のコレステロール塞栓症、結核性髄膜炎、ニューモシスチス肺炎、成人T細胞白血病・リンパ腫などRare diseaseだけでなく、非典型的な症状のCommon diseaseを数多く経験しました。上級医が診療しているのを隣でみる研修ではなく、自分自身が方針を考え診療していく「経験数」を培え、そしてGeneralistとしての「責任感と覚悟」も培えるのが、沖縄県立中部病院研修の最大の醍醐味だと思います。

  • 専攻医(後期研修)/ 内科各科の紹介

    • プログラム紹介と教育ポリシー

      専門性が高いことが医師として重要だと言われます。初期にスーパーローテーション研修でプライマリケアの力をつけたのだから専門 研修ではいち早く専門領域を決めて一人前になりたい、という気持ちはよくわかります。世の中には内科専門研修中にサブスペシャリ ティー研修を前倒しするケースも少なくないと思います。
      専門性を高めるとどうなるか。内視鏡や心臓カテーテル検査といった高度な手技ができるようになる、日進月歩の最新治療に精通した 医師になる、など専門医は患者に多くの恩恵をもたらします。それぞれの領域には歴史と深さがあります。初期研修を終えた若者が次 のチャレンジを求めて修練するのを我々は全面的に応援します。
      しかし「専門家を育てる教育は勉強するほど視野が狭くなる」という危険性があります。
      例えば「心臓のことはわかるけど、他は診ない・診れない・診たくない」といった具合です。内科はサブスペシャリティーが多く専門 分化が進み、患者をトータルに診る力、総合力が空洞化しやすいのです。
      当院の後期研修を終え沖縄県外で循環器内科医として仕事をしている卒業生からメールが来ました。自分の親が電話口で手の関節痛を 訴えているのを聞いて関節リウマチではないかと考えたが、どうだろうかという相談でした。朝のこわばり、どの指が痛いのか、的確 に電話上で病歴を聴取していました。中部病院の内科後期研修中に循環器のトレーニングもしましたが、彼は循環器だけでなく様々な 分野の修練を厭わずにしたのです。
      循環器内科医としてリウマチの診断ができることは「狭い専門家」の視点からは無意味なことかもしれません。しかし、高齢化・慢性 疾患の蔓延する今の時代に必要なのは、総合力のある専門医です。循環器と膠原病の境界領域として、感染性心内膜炎やサルコイドー シスなどがあり、循環器科医としてもこれらの疾患をみる総合力が必要です。総合力は決して難しいことではなく、当たり前のことを 当たり前にする基礎体力、すなわち病歴と身体所見から尤もらしい鑑別診断を考えることです。
      例として循環器内科をあげましたが、中部病院は臓器専門医を目指している人であっても、内科全般に対応できる医師になってほしい と考えています。若いうちは早く「こぢんまりした」専門家を目指すのではなく、色々なことに興味を向け、チャレンジし「懐の深い 内科医」を目指してほしいと思います。
      それが中部病院内科プログラムの目指すところです。

      プログラム概要

      研修目標

      研修目標は、病棟や救急外来では経験が難しい外来特有の診療スタイルを習得することです。
      外来の特徴としては

      • 緊急度は高くない
      • コモンな疾患から考える
      • 受療動機や解釈モデルを聞く、患者の意向に沿って診療を進める
      • 幅広い守備範囲が必要である

      これらを意識して、症状がない健診異常の患者に対しても健康意識を高めてもらう、症状は非特異的な場合でも「見逃してはいけない 疾患」を意識しながらコモンな疾患の診断に結びつけることができることを目標とします。
      当院は地域医療支援病院なので、紹介される患者が多く、様々な検診健診異常から、糖尿病・高血圧・脂質異常症のような生活習慣病、 甲状腺疾患といった内科疾患を経験します。
      通常は専門外来に紹介されるような症例も総合内科外来で診療することが多いのも特徴です。離島で専門科が乏しい状況でも的確に トリアージできるよう、リウマチ・膠原病や神経内科についても経験します。他科からの内科外来コンサルテーションも経験します。
      さらに、当院は救急外来に多くの患者が受診しますが、救急からの紹介も多く、重症度が比較的高い場合が多いのも特徴です。

      年次ごとの到達目標

      専攻医1年目は比較的幅広く外来症例を経験しますが、2年目はより専門性の高い症例について経験することが可能です。総合内科指導 医だけでなく、各科専門医の協力のもと、継続的に患者をフォローすることで技量を上げます。前述のように、循環器志望であっても 外来では糖尿病、リウマチ、パーキンソン病といった非循環器疾患について継続的に研修することで自力をつけます。

      研修方略
      • On the Job Training
        内科専攻医は1年目、2年目病棟・ICU・CCUでの研修の傍ら週1~2回自らの外来を持ちます。希望者はローテーションとして1週間~ 4週間程度の外来強化研修も可能です。3年目は離島病院で総合内科+サブスペシャリティー内科外来を行います。サブスペシャリティ ーについては、離島病院の指導医や中部病院の指導医からの支援を受けることが可能です。
      • カンファレンス
        内科全体のカンファレンスに加えて、週1回抄読会を行っています。外来強化研修をする場合には、外来トピックについてクリニカルク エスチョンとして定式化、文献検索、原著論文を批判的に読み込んで目の前の患者に還元するという、EBMの一連の流れを経験し発表 します。
      • 学会活動への参加
        主に経験症例をまとめた症例報告の形式で、沖縄県医学会、内科学会(年次総会や地方会)、米国内科学会日本支部(ACP JAPAN) 総会、日本病院総合診療医学会で発表します。 また、米国胸部学会(ATS)ほか海外学会での発表も支援します。 各種学会誌やPeer review journalへの投稿も支援します。

      研修修了後の専門医取得

      内科専門医、総合内科専門医
      日本病院総合診療医学会認定医 他

    • プログラム紹介と教育ポリシー

      当科は、平成30年4月より血液・腫瘍内科から「腫瘍・血液内科」に名称を変更し、他の診療科では対応困難な稀少がんを中心として、腫瘍内科領域の診療を拡充します。
      私たちの診療科のミッションは、患者さんと御家族を「がん難民」にさせないことであり、どのような「がん」の患者さんであっても、どんな状態のがん患者さんであっても受け入れを断ることはなく、県内全域の病院から患者さんの紹介を受けています。
      診療内容は、血液がんや固形がんなど悪性腫瘍の診療に加え、再生不良性貧血などの造血不全、血栓・止血領域の疾患、細菌・真菌・ウイルスによる日和見感染症、一部の免疫不全疾患、輸血・細胞療法など多岐に亘ります。全身疾患であるがんは全身の諸臓器の合併症を来たし、多様化した抗がん剤による治療関連毒性は心臓・肺・肝臓・消化管・腎臓は言うに及ばず、神経・内分泌・代謝疾患、膠原病まで極めて多彩であり、一般内科・総合内科としての知識・経験をフルに動員しなければ対応は困難です。
      内科専攻医の各科ローテーションでは、当科における4~8週間の研修期間を通じて、がん診療の基本的な考え方、抗がん剤の選択や血球減少・日和見感染症を含む治療関連毒性への対応を学びます。
      サブスペシャリティー研修では、数ヶ月以上の研修において、外来・入院にてがん患者さんの主治医となっていただき、がんの診断・告知から抗がん剤の選択・緩和ケアを含む患者さんの治療方針決定に関わり、腫瘍内科医・血液内科医としての基礎を学びます。
      以上の研修内容から、当科では内科専門研修カリキュラムにおける総合内科III(腫瘍)、ならびに血液分野について、包括的かつ網羅的に研修をすることが可能です。腫瘍内科や血液内科を志望する方はもちろん、他の内科専門分野を志す皆さんにとっても、当科の研修が長い医師人生の貴重な糧となることを確信しています。

      部長:朝倉義崇

    • プログラム紹介と教育ポリシー

      私達は、地域の中核病院で内科医としての任務を果たしながら、なおかつ、subspecialityとして消化器病全般の診療が出来る医師の育成を目指して、後期研修医を募集しています。
      沖縄県において、都市部を除く沖縄本島各地域や先島(宮古島、石垣島)は、人口5-10万人の医療圏であり、その地域の中核病院は200-300床、内科医は数人から10人ほどです。そこで必要とされる内科医は、各人がsubspecialityを持ち、内科の各専門領域をお互いに分担、カバーし、協力して診療を行なう事ができるのみならず、いわゆるcommon diseaseを中心とした内科全般の診療ができる力を持ち、同時に、自分のsubspeciality以外の領域の診療を厭うことなく行なう事ができる態度を身につけた内科医です。このような、中核病院で要求される任務に堪えうる、内科医としての幅広い臨床能力と柔軟な適応能力を持った消化器病専門医の育成を目指しています。

      研修は基本的に4年間とし、最初の1年間(PGY3)はこれまでのローテーションや希望も考慮しながら循環器、呼吸器、腎臓、感染症、綜合内科等の内科の各分野をローテーションします。当院のシステムや救急当直になれる必要がある場合は、短期間、初期研修プログラムに編入してもらう場合もあります。後期研修2年目(PGY4)からは消化器科のフェローとして消化器科中心のローテーションとなりますが、この間も内科後期研修医の一員として、救急室や内科病棟の当直があります。後期研修3、4年目(PGY5、6)のうちの1年間は、離島研修として、沖縄県の地域中核病院で、内科+消化器科として、実践的な研修を積みます。研修先の中核病院は、消化器病学会認定の関連施設として消化器病専門医の資格を持つ指導医がバックアップできる体制となっています。また、内科学会認定の教育関連施設でもあり、内科の研修も継続出来ます。
      また、後期研修の時期は結婚、出産など重要なライフイベントと重なる時期でもあります。必要に応じてローテーションや研修内容なども柔軟に相談し対応可能です。
      地域の事情は、大都市の大病院や大学病院を除けば、全国的に同じような状況であり、私達のプログラムが目標とする医師像は決して沖縄県にのみ当てはまるものではないと考えます。私達は、研修終了後も沖縄県で共に働いてくれる研修医を必要としていますが、自分自身の地域で内科医かつ消化器病専門医として実地臨床に邁進したい研修医の先生方も歓迎しています。

      プログラム概要

      研修目標

      消化器内科のみならず、内科全般の幅広い疾患に対応できる。消化器病のすべての分野に精通し対応できる。
      消化管出血における止血術、急性閉塞性胆管炎時のERCPなど消化器救急に対応できる。

      年次ごとの到達目標
      • 3年次(1年目)

        必要や希望に応じ他科ローテーション行い内科全般、救急、ICUなどの一般内科医としての素養を磨き、消化器内科研修ではまずは上部、下部内視鏡をトレーニングしつつ、初期研修医のサポートやコンサルトなどの対応を学びます。

      • 4年次(2年目)

        上部、下部内視鏡やEMRやEVL、肝生検、EUS、ERCPなどの特殊検査の経験を積みます。初期研修医のサポートやコンサルト対応を学びます。
        上記研修期間を通して内科外来を受け持ちます。内科外来では他科の研修医とともに総合内科の外来を受け持つこととなりますが、消化器よりの症例が割り振られることが多いです。通常は総合内科スタッフと相談し診療を行いますが、消化器疾患の場合は適宜消化器内科スタッフと相談しながら診療を行っていきます。

      • 5年次(3年目)

        2年間で学んだことを糧に地域(八重山、宮古、北部)の中核病院で消化器内科医として勤務します。中核病院には指導医クラスの医師も常駐しておりバックアップのもと診療が可能です。中核病院で対応が難しい症例は当院に紹介や搬送することが可能です。
        その後の進路は自由です。希望次第で、そのまま地域の中核病院に残ったり、中部病院に戻り研鑽を積んだりも可能です。

      研修方略
      • On the Job Training
        当院消化器内科では常時50−60名の患者さんが入院されており、主治医であるスタッフ医師とともに2年目の研修医が担当医となり病棟診療を行っています。2年目の研修医の病棟診療のサポートを行います。
        消化器内科の後期研修では、外来日以外は毎日内視鏡室で上部、下部消化管内視鏡の研鑽を積むことができます。
        緊急検査、他科からのコンサルトも多数あり、スタッフ医師の指導とサポートの下に対応を学ぶことができます。
      • カンファレンス
        • 消化器内科総回診(週2回)
          新入患者の共有、問題症例のdiscussionを行います。
        • 外科カンファレンス(週1回)
          外科や腫瘍内科、放射線科との合同カンファレンス
          術前患者やコンサルト症例を共有し治療方針をdiscussionします。
      • 学会活動への参加
        • 日本内科学会九州地方会
        • 日本消化器病学会 九州支部例会
        • 日本内視鏡学会 九州支部例会
        • 日本消化器病学会総会
        • 日本消化器内視鏡学会総会
        • 日本消化器関連学会週間(JDDW)
      • 研修終了後の専門医取得
        • 後期研修4年終了後に消化器病専門医
        • 5年後に肝臓専門医
        • 5年後に内視鏡専門医(学会加入時期によっては4年後)
      • 診療実績
        2019年度 2018年度
        病棟コンサルテーション 303件 284件
        上部消化管内視鏡(研修医A) 324件(他科ローテあり)
        上部消化管内視鏡(研修医B) 362件 400件
        上部消化管内視鏡(研修医C) 214件(産休期間あり)
        下部消化管内視鏡(研修医A) 202件(他科ローテあり)
        下部消化管内視鏡(研修医B) 201件 299件
        下部消化管内視鏡(研修医C) 141件(産休期間あり)

        この他、内視鏡的バルーン拡張やステント留置術、コロレクタール留置術、胃瘻造設ERCP、EUS、肝生検など消化器内科として必要な一般的な手技を行う機会にも恵まれています。

        また、内視鏡専門医取得のためには以下のような検査実績を満たしていることが必要となりますが、当院では十分な症例に恵まれ1年足らずで検査の実績については満たすことができます。

        *指導施設または指導連携施設の研修期間内にて、次の検査数を満たしていることが必要。

        ① 診断:上部消化管 1点 / 1回
        ② 診断:下部消化管 5点 / 1回
        ※①と②を合計して1000点以上

      研修修了後の専門医取得

      内科専門医、総合内科専門医
      日本病院総合診療医学会認定医 他

    • プログラム紹介

      後期研修プログラムの目標

      3年目で離島の基幹総合病院で腎臓内科のchiefとして勤務し、general nephrologyを実践できる。

      腎臓内科の特徴

      当科の特徴として、担当する分野が非常に多彩である。腎臓(腎炎などの腎疾患・腎移植・血液透析・腹膜透析・ICUでの血液浄化療法・電解質異常・interventional nephrology)・膠原病リウマチ・糖尿病・内分泌・中毒診療と幅広い分野を扱っている。また不明熱などの診断が困難な症例の入院も当科が担当している。

      プログラム概要

      研修目標
      • 腎炎・ネフローゼ・急性腎不全の初期診断・組織学的評価・治療を行える。
      • 電解質異常のマネジメントができる。
      • 腎不全の患者を外来・入院で診療し、透析導入になる以前からTotal Renal Careをめざして、血液透析・腹膜透析・腎移植と患者ごとに応じた治療法を実践できる。 腎移植に関して、術前・術後・外来と管理できるよう症例を経験する。
      • 血液・腹膜透析患者の維持透析診療・並びに合併症の管理が行える。
      • 血漿交換・LDLアフェレーシスなどの特殊血液浄化の適応を理解し、実践できる。
      • ICUなど急性期・集中治療領域における血液浄化療法に関して、各種血液浄化療法を選択できる。心臓大血管手術患者の血液浄化を適切に行うことができる。
      • Interventional nephrologyを積極的に導入し、血液シャント肢のPTA・腎嚢胞の塞栓/ドレナージ術を行うことができる。
      • 卒後5年目以降で離島の基幹総合病院で腎臓内科のchiefとして勤務し、general nephrologyを実践できる。
      年次ごとの段階的な到達目標

      1年目
      概要:ICU/CCU/内科を中心とした研修で、その他に希望なども含めてローテーションしていただきます。ICU研修にて内科ICU患者の主治医として、人工呼吸管理・モニタリング(hemodynamic monitoringなど)を研修してもらい、敗血症のスタンダードな治療・ARDS・中毒・AKI・その他の内科ICU研修を行なってもらいます。CCU研修においては循環器のレジデントを指導する立場にあり、重症心不全・PCIの患者・心臓血管外科の患者の術後管理を行い、心臓超音波検査に関して内科後期専攻医の全員が習得することを目指します。また週2回の心臓カテーテル検査に入りカテーテルの挿入やガイドワイヤー操作を学びます。このICU/CCUでの経験は垣根のない当院内科だからこそできる研修です。残りの期間は個人の希望と各科のバランスでローテーションしてもらいます。救急・放射線科もローテーションした者もおり、各人の目標に応じて変更できます。

      • 腎臓分野だけでなく、集中治療領域を含めた内科全体の診療力を身につける。
      • 入院診療を通じて腎臓病の診断、治療ができ、初期研修医の教育指導を行うことができる
      • 血液透析、腹膜透析、腎移植の特徴を理解し、導入期管理を行うことができる。
      • 血液・腹膜透析患者の維持透析診療・並びに合併症の管理が行える。
      • 緊急時の透析用カテーテルを挿入し急性期血液浄化療法を導入・管理することができる。

      2年目
      概要:この時期になると、救急疾患に対しては十分な初期対応と救急治療が出来ており、ICU/CCUでの研修の成果もあり基本手技は習得できています。 腎臓内科に特化した研修ではありますが、他の科と半年ずつ研修した者も過去にはいます。3年目に離島基幹総合病院でgeneral nephrologyを実践できるようにあらゆる分野を短期間で集中的に習得していきます。主な研修内容は以下の通りです。

      • 腎炎・急性腎不全などあらゆる腎疾患の診療・組織学的評価・治療を行うことができる
      • 各種腎代替療法の導入から外来維持管理を行うことができる
      • 血液透析、腹膜透析、腎移植の導入期管理
      • 血液透析、腹膜透析、腎移植の合併症とその評価・対応
      • コンサルトを通じ他科と連携し腎疾患を総合的にマネジメントすることができる。
      • 急性期・集中治療領域での血液浄化療法のマネジメントをすることができる。
      • CHDF、血漿交換など
      • インターベンショナルネフロロジーを実践することができる。
      • 長期留置カテーテルの挿入
      • シャントトラブルの評価・PTA
      • 各患者に適したブラッドアクセスの選択

      3年目
      概要:県立八重山病院(石垣島)、県立宮古病院(宮古島)などの離島総合病院で総合内科医として勤務し、腎臓内科症例に対しては専門家として対応してもらいます。非常に成長する1年間で、指導医の中には2年以上いた人もいます。当直で入院させた患者さんを退院まで担当するスタイルは、しっかりとした内科ローテーションスタイルを経験した者でないとできません。当科の医師は総合内科医として勤務し、腎臓疾患に対しては腎生検を施行し専門診療も行なっています。

      研修方略
      • On the Job Training
        ・入院患者診療を行い、初期研修医の教育・指導を行いながら責任をもって診療にあたる
        ・各種腎代替療法、腎統合医療を実践する
        ・腎不全サポート外来(療法選択外来)、PDカンファレス、血液透析カンファレンスに出席し、コメデイカルと連携しチームのリーダーとして診療にあたる
        ・他診療科からのコンサルテーションを通じて院内発症の腎疾患に対応できる
        ・病理診断科と連携し腎臓の組織学的評価・病理診断を行う
        ・地域への予防活動(出前講座などの教育・啓蒙活動)を行う
      • カンファレンス
        ・腎臓内科では文献抄読会、Nephsap勉強会、膠原病との合同勉強会(NEJM Case Record抄読など)を毎週行なっている。
        ・学会活動への参加(下記)
        ・内科全体のカンファレンス(週数回)にも出席する
      • 学会活動への参加

        これまでポスター発表、口演等に関わった主な学会

        ・日本内科学会
        ・日本腎臓学会総会
        ・西部地方会
        ・日本透析医学会総会、日本腹膜透析学会、臨床腎移植学会
        ・日本リウマチ学会総会
        ・アメリカ腎臓学会総会、アメリカリウマチ学会総会

      研修終了後の進路

      離島での研修終了後は、県立病院スタッフとして診療を継続することも可能です。
      以下の専門医取得を目標とします。

      日本内科学会 内科専門医
      日本腎臓病学会 腎臓専門医
      日本透析医学会 透析専門医
      日本リウマチ学会 リウマチ専門医など

    • プログラム紹介と教育ポリシー

      研修プログラムの目的と目標 ~なぜ感染症内科か?

      医療技術の高度化、高齢化の急速な進展、地域社会の国際化など、感染症をとりまく環境は複雑化しており、患者数も増加していくものと予測される。とくに、耐性菌の問題は深刻であり、抗菌薬の適正使用は、院内や周辺地域のみならず国際的な課題となっている。また、ヒト、モノの交流が活発になっており、新興感染症を含めた輸入感染症への対応が求められるようになっている。こうした社会環境の変化にあって、臓器横断的に感染症や関連する疾患を診療し、かつ院内および地域の感染対策に貢献できる感染症内科医が求められている。本プログラムは、時代の要請に対応できる専門医を養成することを目的としており、具体的には、病院で独立して感染症内科を運営できる実力を身につけることを目標とする。

      感染症内科の特徴 ~なぜ中部病院か?

      沖縄県立中部病院の感染症内科は、日本で最も歴史を有する臨床感染症を専門とする診療チームのひとつである(設立 1976年)。当科の特徴として、感染症の多様な側面について幅広く診療していることがある。すなわち、他科からの複雑な感染症についてのコンサルテーションに対応するだけでなく、急性腎盂腎炎などの日常的な感染症やHIV感染症を含めた専門性の高い感染症について病棟主治医となって治療にあたり、さらには地域の訪問看護ステーションと連携する在宅医療にも取り組んでいる。また、年間1千万人を超える観光客が訪れる沖縄県の特性から、輸入感染症を診療する機会も多い。県立病院の公務員医師として、保健所や市町村と連携した地域の感染対策に貢献する機会もある。すなわち、感染症について幅広い臨床力を身につけることができる、国内でもユニークな研修環境を有している。

      プログラム年数

      3年間

      取得可能な専門医資格

      日本内科学会 総合内科専門医
      日本感染症学会 専門医
      日本エイズ学会 認定医
      インフェクションコントロールドクター

      指導体制

      指導責任者

      成田 雅

      指導医(沖縄県立中部病院)

      椎木創一
      高山義浩
      高倉俊一
      横山周平

      プログラム概要

      研修目標
      • 多様な症状を訴える患者の苦痛を緩和させながらも、論理的なアプローチにより診断し、患者背景に応じた治療計画を提示できる。
      • 抗菌薬、抗ウイルス薬、ワクチンなど、臨床感染症で使用する薬剤の特性について理解を深め、患者の状態に応じて適切に選択できる。
      • 感染症を発症するメカニズムについて、患者と微生物のみならず、疾患を生じた背景も踏まえて検討し、再発予防に向けた指導ができる。
      • 微生物もしくは感染症によって求められる感染対策を理解し、適切に感染防護具を使用することで、自らと他の患者を守ることができる。
      年次ごとの段階的な到達目標

      1年目

      • 主に入院患者の診療を通じて感染症の診断、治療、経過フォロー、そして予防に繋がる教育を実践する。
      • 診断的アプローチの方法を知る
        塗抹検査(グラム染色、チール・ネルゼン染色など)、培養検査(血液培養など)、血清検査、画像検査
      • 抗菌薬の使い方の基本を習得する。
      • 感染予防のための手指消毒と防護具の着脱、安全器器材の使用方法を習得する。
      • 入院患者の退院後の生活を見通したケアを実践する。

      2年目

      • 感染症内科への入院患者コンサルトを通じ、感染症の知識を深める。
      • クリニカルクエスチョンに基に文献検索の方法を知る。
      • 院内感染発生時の対応を理解する(結核、インフルエンザ、ノロウイルス、CD関連腸炎など)
      • 地域ケア科と連携し、退院後のフォローアップを行う
        (訪問診療、往診、地域の関係者との連携や調整など)

      3年目

      • 離島・へき地病院での診療を通じ、感染症総合内科だけでなく総合内科の知識を習得する。
      • クリニカルクエスチョンに基に文献検索の方法を知る。
      • 独り立ちした感染症内科医として、個々の症例の検査・治療戦略を立案しを実践する。
      • インフェクションコントロールドクターとして、院内・院外の感染対策、地域予防活動に関わる(沖縄県立北部病院、沖縄県立宮古病院、沖縄県立八重山病院)
      研修方略
      • On the Job Training
        ・入院患者の病棟主治医となり、責任をもって診療にあたる
        ・他診療科からのコンサルテーションを通じて難渋する感染症への対応を学ぶ
        ・細菌検査室と連携を取り、塗抹検査、培養検査の動きを知る
        ・院内感染対策のチームメンバーとなり、院内感染対策活動に関わる
        ・HIV感染者の入院診療、多職種連携カンファレンスに参加する
        ・地域への予防活動(出前講座などの教育・啓蒙活動)を行う
      • カンファレンス
        ・院内感染対策活動(環境ラウンド、感染対策小委員会など)
        ・抗菌薬適正使用活動
        ・内科全体のカンファレンス(週数回)にも出席する
      • 学会活動への参加

        これまでポスター発表、口演等に関わった主な学会

        ・日本内科学会
        ・日本感染症学会
        ・日本環境感染学会
        ・日本臨床微生物学会
        ・IDWeek(米国感染症学会)

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      ID Week 2016 ポスター発表(向川原充先生)

      研修終了後の専門医取得
      • 日本内科学会 総合内科専門医
      • 日本感染症学会 専門医
      • 日本エイズ学会 認定医
      • インフェクションコントロールドクター
      診療実績
      • 2018年度コンサルト件数 約250件
        感染性心内膜炎、化膿性関節炎、術後感染症、非結核性抗酸菌症、不明熱診療、糞線虫症
      • コアレクチャー/グランドラウンド(タイトル)

        感染症診療の基本
        ・感染症診療におけるLocal factor/Antibiogram
        ・感染症診療で3種の神器(スメア・血培・ローカルファクター)を使いこなす
        ・Advanced “Kishaba’s 8”(研修医が不明熱?と思ったときの鑑別診断)
        ・つけてはいけない感染症病名(安易につけがちな感染症病名に喝を入れます)
        ・検査とのクロストーク(細菌検査室とどのようにしたら上手に連携できるか)
        ・「熱源が分からない」ケースのアプローチ
        ・高齢者の発熱を診る

        各種感染症へのアプローチ
        ・つつが虫病 ー過去と現在、そして沖縄、日本、世界に眼をむけてー
        ・島の熱病、やんばるの熱病 沖縄のおけるリケッチア症
        ・Hot disease in Okinawa  沖縄で見られる地域特有の感染症
        ・最速で成果を上げる免疫不全の感染症診療
        ・結核とその周辺(青木眞先生による講義)
        ・性感染症(青木眞先生による講義)
        ・最速で成果を上げる免疫不全の感染症診療
        ・在宅につなげる感染症診療の実践
        ・症例から考えるHIV診療

        抗菌薬使用
        ・抗菌薬の使い方:最初の3日目(培養結果が出るまでの抗菌薬の使い方)
        ・抗菌薬の使い分け
        ・ベータラクタム系抗菌薬の考え方、使い方
        ・カルバペネムを温存したESBL産生菌の治療戦略
        ・あなたのカルバペネムコンサルトはなぜOKがもらえないのか?
        ・広域スペクトラム抗菌薬を使いこなしたいあなたへ
        ・抗菌薬の投与期間を考える
        ・感染症診療の原則 〜抗菌薬の止めどき(青木眞先生によるご講義)
        ・薬剤感受性結果に基づく抗菌薬の選択

        身体所見
        ・Clinical Reasoning Physical Diagnosis 救急室での身体所見を見直す
        ・「3日間便が出てません」と言われたら

        感染対策
        ・中部病院 赤裸々感染対策(当院の感染対策に関するQIの提示)
        ・感染症診療・感染対策 Dos & Don’ts(感染症診療や対策でのPitfallを説明)
        ・あなたの手が汚い 手指衛生をあらためて考える

        ワクチン接種
        ・上手に打とう、大人のワクチン(ワクチン接種のポイント)

        地域医療
        ・離島に求められる医師像
        ・病院に求められる地域包括ケアシステムとの連携
        ・被災地に対する医療支援の考え方
        ・データで見る沖縄県の地域医療の課題
        ・沖縄県地域医療構想の進捗と課題
        ・在宅医療の促進に向けて

      • HIVフォロー中の患者数 127名
      • 院内感染対策・抗菌薬適正使用支援活動
        感染管理認定看護師や薬剤師、検査技師と協働して、院内の感染対策や抗菌薬適正使用推進活動を実施している。各種病原体・感染症のサーベイランスにアウトブレイク対策、職員への教育活動や健康管理を中心にしつつ、国際的な懸念される感染症への備えを地域保健担当者や検疫所と連携できるよう、日々体制を整えている。抗菌薬使用は研修医への指導的フィードバックを軸にしながら、広域スペクトラム抗菌薬を中心に使用状況を常時スクリーニングしている。
        ICTラウンド+環境ラウンド(毎週水曜日)、抗菌薬適正使用ラウンド(毎週火曜日)
        院内感染対策小委員会+院内感染対策講習会(毎月1回)
        <講習会内容>(抜粋)
        ・あなたにとってエボラは「他人事」ですか?(エボラ出血熱対策についての解説)
        ・最近の耐性菌事情(薬剤耐性菌の状況を報告して対策を説明)
        ・環境清掃と手指衛生(感染対策の基本について実践的に解説)
        ・HIV感染者の伴走者として考える全人的ケアの実践(HIV診療の基本及びケアのについて説明)
        ・みんなが関わるASとDS(抗菌薬適正使用とそれに必要な適切な診断検査の解説)
        ・職員健康管理ドラマ「曝露の時間」(職員に対する自分を守る感染対策の説明)
        ・腸内細菌叢と薬剤耐性 “microbiotaについて”杏林大学病院 感染症内科 嶋崎鉄兵先生)
        ・感染症診療・対策に関する最近の話題について 青木眞先生
      • 在宅における感染症診療と感染管理

        限られた時間をなるべく自宅で過ごしたいと考えている終末期患者、入院生活にどうしても適応できないでいる認知症患者など、多様なニーズへと対応できる感染症診療を地域に出ることで提供している。また、高齢者施設等における感染管理について、保健所とも連携しながら指導を行っている。

      • 海外渡航関連の感染症診療、渡航前ワクチン

        海外からの帰国者に関連した発熱や下痢などの症状についても、救命救急センター部門と連携しながら当診療科が対応している。これまでにも腸チフス、マラリア、デング熱、チクングニア熱など、各種の輸入感染症を当院で診療している。  渡航前のワクチン接種希望や曝露後の狂犬病ワクチン接種への対応も当科が中心になって対応している。

      • 身体所見レクチャー

        毎年、年末年始にClinical Reasoning Physical Diagnosisの勉強会を開催しています。

        1)診断に結びつく所見を探しに行くことを念頭に臨床現場に即した訓練を行います。
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        2)バイタルサインの評価 血圧計を用いない方法
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    • プログラム紹介と教育ポリシー

      私達は、当コースで、地域の中核病院で内科医としての任務を果たしながら、なおかつ、呼吸器診療全般に亘る医療を提供できる医師の養成を目指していきます。呼吸器内科はアレルギー疾患、感染症、全身性疾患の肺病変、肺循環、悪性疾患などカバーする領域が多岐にわたり内科一般の知識をふまえた総合力が問われる分野です。従って当科では内科医師と しての基本的な診療能力を土台として総合力の高い呼吸器内科医師を育てていく事を目標としています。

      プログラム年数(新専門医制度)

      4年間

      取得可能な専門医資格

      日本内科学会 総合内科専門医
      日本呼吸器学会 専門医

      指導体制

      指導責任者

      喜舎場 朝雄

      指導医(沖縄県立中部病院)

      山城信
      長野宏昭
      鍋谷大二郎

      プログラム概要

      後期研修期間は4年間とし最初の1年間は循環器内科、集中治療室、腎臓内科、消化器内科などの各分野をローテーションしてもらいます。

      当院のシステムや救急当直に慣れる必要がある場合は、短期間、初期研修プログラムに編入してもらう場合もあります。2年目(PGY4)からは呼吸器内科のフェローとしてのローテーションが中心となりますが、この間も内科後期研修医の一員として、救急室や内科病棟の当直があります。

      フェローとして気管支鏡、肺生検、胸膜生検などの手技はもちろん、他科からの豊富なコンサルトの対応、院内の人工呼吸器患者への多角的なアドバイスなどに我々スタッフと協力して精力的に取り組んでもらいます。また、肺癌、悪性胸膜中皮腫患者への化学療法、緩和ケアも学び、全人的医療ができる医師を養成します。

      3年目(PGY5)には、離島研修として、沖縄県の地域中核病院で、一般内科医師かつ呼吸器内科医師として、実践的な研修を積んでもらいます。離島中核病院(県立宮古病院、県立八重山病院)は内科学会の認定教育関連施設であります。配属先の離島中核病院では呼吸器疾患の急性期から慢性期まで責任を持ち学ぶ事が出来ます。また、難しい症例や検査などに関しては必要に応じて当院スタッフがいつでも診療応援を行います。

      4年目(PGY6)では再度県立中部病院のヤングスタッフとして勤務して機能形態学、病理生理学、分子生物学、薬理学、遺伝学、疫学、症候学、診断学、治療学に関する豊富な知識を有し、重要な専門的検査技術を取得し、広い範囲の呼吸器疾患の知識と理解、及び重要呼吸器疾患の臨床経験をし、高邁な医療倫理感を有する呼吸器内科医師専門医師への道を我々とともに歩んでいきます。

    • プログラム紹介と教育ポリシー

      沖縄県は神経内科専門医が少なく、開業医や地域の中規模病院からも興味深い症例が数多く当院に紹介されてきます。また、24時間救急対応をしているのでほとんど毎日救急室から回診依頼や入院依頼が来ます。このような背景のため当院では特定機能病院における脳神経内科診療に比べ、より日常でよくみられる症状、疾患が多く、めまいや頭痛のようなcommon symptomに対し脳神経内科的な見方ができる、神経救急の症例に多く経験できるなどが当院における脳神経内科研修の最大の特徴です。ギランバレー症候群や重症筋無力症、多発性硬化症、ALS、脊髄小脳変性症などの様々な免疫性神経疾患・変性疾患が未診断の状態で受診してくることが多いので、幅広い神経疾患を経験できるのも魅力です。
      したがって当院の後期研修では内科医としてのベースの上に神経内科専門医があるとの立場に立ち、内科専門医、神経内科専門医の両方の専門医資格を取得することを目標にしております。
      このように急性期病院において脳神経内科の視点を持ち、神経救急への対応、他科からのコンサルトや他院からの診察依頼に対応できる能力を有する人材を育てることが目標です。

      プログラム年数(新専門医制度)

      内科専門研修(離島研修1年間を含む)と並行して神経内科研修をおこなう
      神経内科研修として4年間(2年間は内科研修と重ねることができる)

      取得可能な専門医資格

      日本内科学会 総合内科専門医
      日本神経学会 神経内科専門医

      指導体制

      指導責任者

      城之園 学(神経内科部長)
      昭和58年 鹿児島大学卒業
      神経内科専門医・指導医
      総合内科専門医 認定内科医

      指導医(沖縄県立中部病院)

      金城 正高(神経内科副部長)
      平成3年 琉球大学卒業
      神経内科専門医・指導医
      認定内科医

      内原 俊記(非常勤)
      昭和57年 東京医科歯科大学卒業
      神経内科専門医・指導医
      総合内科専門医・認定内科医・認知症専門医

      末永 正機(非常勤)
      平成10年 愛知医科大学卒業
      神経内科専門医・指導医
      認定内科医

      難波 雄亮(非常勤)
      平成17年 順天堂大学卒業
      神経内科専門医
      認定内科医

      プログラム概要

      研修目標

      ①意識障害、頭痛、めまい、しびれ、脱力、歩行障害、認知症など日常よく遭遇する症状、症候に対し神経内科的なアプローチができるようになって欲しい。救急の場でも脳卒中や痙攣のほか、緊急性の判断が必要な神経疾患はかなり多く、これらの初期診断と治療が正しくおこなえる。また、予防のための治療ができる。

      ②CT、MRI、SPECTなどの画像検査や脳波、筋電図などの神経生理検査を指示・解釈し、これら情報と病歴・身体所見を照らし合わせ、診断および鑑別と初期治療に役立てることができる。

      ③専科としてのコンサルティング能力を身につけ、内科学会、神経内科学会双方の専門医の資格を取得する。

      年次ごとの段階的な到達目標

      1年次:神経内科グループに所属し初期研修医の指導医的役割を担いながら救急室、病棟の回診、コンサルテーションや神経内科外来をおこなう。

      2年次:神経伝導検査や針筋電図の検査計画と手技、判読を修得する。脳波判読をおこなう。頸部血管エコー、CT、MRI、SPECTなどの画像検査の特徴を理解し、効果的な検査計画を立て読影結果を治療計画に反映させる。

      3年次:神経生検、筋生検の適応を判断し、検査手技ができる。検査結果を解釈し、診断にフィードバックできる。

      4年次:他科からのコンサルテーションを受け、適切に必要な検査を選択し、治療介入についてアドバイスができる。

      補足:日本神経学会HPによると新専門医制度下では神経内科は内科のサブスペシャリティとして参加するということです。
      当院では内科専門研修プログラムのもと、神経内科専門医カリキュラム(到達目標を満たす)を並行しておこないます。
      神経内科専門医としての最終的な到達目標については知識・技術技能要件、症例要件、その他終了要件(学会発表、講習会受講など)が規定されておりますのでそれぞれの項目の詳細については学会HPをご覧ください。

      学会活動への参加

      基本は自主参加ですが、症例報告(学会発表、論文)は強く奨励されます。症例報告は臨床医の義務ですし、発表自体が専門医受験資格の終了要件にもなっています。

      • 沖縄県医師会医学会(年2回)
      • 日本内科学会九州地方会(年4回)
      • 日本内科学会講演会(年1回)
      • 日本神経学会九州地方会(年4回)
      • 日本神経学会学術大会(年1回)

      研修終了後の専門医取得

      日本内科学会 総合内科専門医
      日本神経学会 神経内科専門医

      診療実績

      救急診療

      24時間対応の診療体制を維持しており、救急科、総合内科、脳神経外科などの他科と連携しながら実践しています。
      脳卒中診療は救急車を受け入れた時からリハビリテーション専門病院に転院できるまでを担当します。また搬入された脳梗塞のうち、適応条件が合致すれば超急性期血栓溶解療法をおこないます。 血栓回収は他施設と連携して行います。

      脳神経内科外来

      かかりつけの先生方から紹介を受けて、脱力・歩行障害・ふるえ・しびれ・物忘れなどの症状で来院された患者様を専門的な立場で診察します。常勤2人が新患・再診の患者を担当しますが、非常勤3人は教育に特化しており後期研修医と共に神経疾患の新患外来診療をおこなうので脳神経内科の外来研修ができるのが強みです。

      脳神経内科入院

      救急センターからの急性期疾患の継続治療、外来からの検査入院に対応します。入院の目標とゴールを設定して治療方針を計画していきます。急性期病院としての診療後は、近隣の回復期病院や包括病棟、介護施設などと連携し、継続する診療を心がけています。入退院支援看護師やケースワーカーと協力し、介護保険(ケア・マネージャー)・自立支援等の社会資源の活用を促進しながら退院援助を行っています。医学的なことのみならず、実際の医療のプロセスを経験していただくことも研修の一部と考えております。

      統計

      2017年度:入院 503例 外来紹介患者 262例
      2018年度:入院 566例 外来紹介患者 219例
      2019年度:入院 617例 外来紹介患者 212例
      【入院】
      脳卒中:62.1%(うち脳梗塞・TIA:50%)、痙攣・てんかん:9.2%、変性・免疫性神経疾患:6.6%、末梢性めまい:3.7%、脳炎・脳症:1.8%、内科一般(肺炎など):15.8%
      【外来紹介】
      下肢のしびれ、手指振戦、歩行障害、認知症、手のしびれ、 めまい・ふらつき、上肢脱力、けいれん、など(頻度順)
      【外来再診患者】
      2020年4月時点 515例 

    • プログラム紹介と教育ポリシー

       
      研修プログラムの目的と目標

      専攻医1年目は、ICUをはじめ循環器、呼吸器、腎臓、消化器、感染症、総合内科等、各分野のローテーション研修が中心で内科医としての総合力を蓄えます。循環器内科としては約3ヶ月程度のプログラムの中で、心エコーやトレッドミル、負荷心筋シンチ等の非侵襲的検査とPICCカテーテル、スワンガンツカテーテル他中心静脈カテーテル挿入、動脈ライン留置等の基本的侵襲的手技を習得し、救急や入院患者のコンサルテーション、CCU当直を通して虚血、不整脈、心不全等全ての循環器疾患患者の病態を学びます。
      サブスペシャリティ連動研修(循環器専門医を目指す研修・専攻医2年目)では、スタッフの指導の下で、更にステップアップした検査手技として心カテ、PCI助手(後半からは手技の習熟度に合わせて術者)、ペースメーカー術者としての技術を習得し、マルチモダリティー検査を総合的に判断して病態生理の解釈と的確な診断治療を行い、急性期治療から慢性期治療まで含めた長期的な疾患管理や患者教育、疾患予防が行える事を目標とします。
      当院の目指す循環器専攻医像は、高度な知識と技術を持ちつつ個々の患者様に合わせて柔軟に対応し、地域から信頼されるGeneral Cardiologistです。

      プログラム年数

      3年間
      ・PGY-3 各内科をローテート
      ・PGY-4 循環器専門フェロー
      ・PGY-5 離島診療(総合内科医/循環器内科医として)

      取得可能な専門医資格

      ・日本内科学会 総合内科専門医
      ・日本循環器内科 専門医
      ・日本心血管インターベンション治療学会 専門医

      指導体制

      指導責任者

      和氣 稔

      指導医

      平田一仁
      高橋孝典
      宮城唯良
      仲里淳
      屋宜宜仁
      安里哲矢
      島袋祐士

      当科で可能な治療内容

      • 冠動脈疾患に対するステント留置治療(PCI)
      • 冠動脈石灰化病変に対するロータブレーター切削術(Rotablator)
      • 冠動脈プラークに対する方向性冠動脈粥種切除術(DCA)
      • 末梢動脈疾患に対するカテーテル治療(EVT)
      • EVT治療での振動式末梢血管貫通用カテーテルシステム使用(クロッサーカテーテル)
      • EVT治療でのステントグラフト使用(VIABAHN/VBX)
      • 深部静脈血栓症に対するカテーテル治療、ステント留置術
      • 頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療(心房細動を含む)
      • 徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療(リードレスペースメーカーを含む)
      • 心不全に対する心臓再同期療法(CRT-P/CRT-D)
      • 心室性不整脈に対する植え込み型除細動器(ICD/S-ICD)
      • 僧帽弁狭窄症に対する経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC)
      • 大動脈弁狭窄症に対する経皮的大動脈弁拡張術(PTAV)
      • 三尖弁狭窄症に対する経皮的三尖弁拡張術(PTTV)
      • 閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的心室中隔焼灼術(PTSMA)
      • 重症心不全に対する経皮的循環補助装置(IABP, PCPS)
      診療実績
      2019年度
      診断カテーテル検査 514件
      冠動脈インターベンション(PCI) 212件
      末梢血管インターベンション(EVT) 76件
      構造的心疾患インターベンション(SHD) 4件
      徐脈性不整脈へのペースメーカー挿入 50件
      心室再同期療法(CRT-P/CRT-D) 25件
      植込み型除細動器(ICD) 6件
      不整脈へのアブレーション治療 27件
      心房細動へのアブレーション治療 15件